この著者が好きで、出ている本はほぼすべて読んでいる。本を買って、ときおり読み返して気分を上げる。
好きな所は、いじましくないところ、すっきりした言葉を発するところだ。
成功者であってもどこかいじましい人がいるが、彼女の場合は自分に誇りを持っている。でも自慢はしない。彼女が成功体験を語る時、それは「私を認めて!」という自慢じゃなくて、こうしたらこうなりましたという単なる事実だ。後に続く者、彼女と出会った人へのエールでもある。
彼女は失敗や嫌な体験についても淡々と語る。だまされたり、イジワルされたり、イジワルされたと自分が誤解したりしたこと。友達に誤解されたこと。彼女は不用意に「私の周りはいい人ばかり」とか言ったりしない。
そうなんだ、みんなそういうことあるんだよね。それでも元気を出して、自分を信じてサクサク歩いていくんだよね。
いろいろあっても彼女の人生は明るく元気いっぱい。問題はあっても乗り越える。暗くいじましい苦労とは無縁だ。
そういう人生の楽しみ方のヒントが、私が彼女から得る最大のものだ。
P120 毎日の生活にワクワクすることを加える
なんかごく最近まで「好きなこと=ぜいたく」だと思い込んでた気がする。
戦中戦後(!)の「ぜいたくは敵だ!」が骨身に染みている母に育てられたせいだ。母の時代はほんとにそうだったのだ。楽しいことはしちゃいけないと刷り込まれた。
大人になって、良かった。蕎麦屋で昼酒することも、ひとり旅も、していい。好きなだけ本を読んでもいい。そういう楽しいことをするために生きているのだ。
それは小さなことでもいいとエリカさんは教えてくれる。公園を散歩するとか、気に入りのカフェでまったりするとか、好きな椅子に坐って面白い本を読むとか、そういうささやかなことでいいのだ。「毎日のちょっとしたスペシャル」という言い方もされている。
一日の中に自分がワクワクする楽しいことを入れていく。それは毎日あっていいことだ。企画も実行も、誰かがやってくれるのではない。自分で考えて、自分にプレゼントするものだ。
ここまで書いて、私が「気が合わない」人たちがどういう人たちなのかはっきりした。「群れる」人だ。旅行でも散歩でも、一人で行けない人たちがいる。都合よく「仕切りたい」人もいて、引率していく。「一人では行けないし、みんなと一緒の方が楽しいから」とぞろぞろ道を広がって歩く人たち。が、嫌いだ。
これは女性に限らない。最近では熟年のおっちゃんたちが熟年のおばちゃんに連れられて歩いている。その特徴は、仲間内の人間関係を重んじてまわりの迷惑を顧みないことだ。静かに談笑したり、できない。数を頼んで哄笑し、近くにいるおとなしい人を圧迫する。
エリカさんは孤立しているわけではなく、すてきな友人や仕事仲間がいるようだ。でも群れない。それは一人の時間が充実していて、自分の時間を自分で組み立てることのできる人だけにできることだと思う。
たぶん私よりエリカさんはずっと若いとは思うが、私にとってそうなりたいメンターの一人だ。
P121 新しい世界へ自分で自分を連れて行く
P177 未来の自分を応援する
P180 がんばる気持ちを持続させるごほうび
とにかく自分で盛り上げていくことだと思う。
トマトの補足 ⑴自分で盛り上げなければ誰も盛り上げてくれない。
⑵「盛り下がる」ことを言う人が必ず出てくる。心に灯した明かりに水
をぶっかけてくる。そういう嫌な奴は相手にしない。