週刊文春の6月3日号「テレビ健康診断」を読んで救われた。
「シスターフッドと言ったら市川実日子でしょう」「名ヒロインの隣に市川実日子あり」「やはりこのドラマの最重要人物は市川実日子だ」などの言葉に共感しつつ読む。
ほんとうに、とわ子とかごめの友情はなつかしく楽しく心打たれるものだ。小学生のころ、こんな風な親友がいた人、多いと思う。それぞれ勝手なことをしているようでいて、そのくせけっこう一緒にいる。ふとしたときに傍にいる。気づいたら一緒に歩いている友達。
「信号のない横断歩道」で「渡れない」かごめの手を黙ってそっと握るとわ子。そのさりげない動作に小学生時代から大人になっても変わらないとわ子の魅力が詰まっている。とわ子を信頼して自分の手を預けるかごめの繊細な雰囲気も良い。幼い時のように大人になってからも同じことがあり、逃げようとするかごめにとわ子は横断歩道の前で追いつきその手を取るのだ。このシーンがめっちゃ好きだった。
ある日突然、昔二人で書こうとしていた漫画を描き始めるかごめ。私にはこれしかないと決めて、描き始めたのだ。そして「一晩だけでも手伝わせて」と徹夜でかごめに付き合うとわ子。なんて可愛い二人なんだ! そう、とわ子とかごめはまる子とたまちゃんに匹敵する、記憶に残る親友同士なのだ。
そして、最後の「唐突な死で、このドラマとかごめは伝説になる」という一文に涙した。
短いからと言ってその人生の意味が薄いわけがない。かごめは、その早すぎる死によって私たちの心に残るし、このドラマに大きな意味を与えるのだろう。そう思うと救われる。録ってあった第5話を観ようという勇気をもらいました。