「スーツケースはリモワのサルサエアー」とか、「機内に持ち込むもの」など荷造りの時点からワクワク。漫画、写真、イラストがいっぱい入っていて、とても可愛らしいページにときめく。旅行、特に海外旅行なんかとうてい無理という現況のお楽しみに最適の本だ。ツアーのひとり参加というのも楽しそう。
コロナが終わって行けるようになったら、私もこれをやってみようと思った。語学、体力、判断力などから考えて、まっさらの一人旅は危険かも。ある程度お金をかけることも必要だと思う。
この本を見ていて、ひとり部屋追加料金を払っても、それほど恐ろしい金額ではないと分かった。どこも1週間くらいの旅程で数十万と言う単位だ。
まずツアーのひとり参加で1回行って、気に入った街を再訪、ステイというのが私の考えているスタイルだ。
益田ミリさんって、なぜか宮部みゆきの『孤宿の人』の「ほう」や『お縫子テルミー』を連想する。実際はそんな淋しい人ではないのだろうが、厚かましさとは対極にいる人のような気がするのだ。
びっくりしたのは、彼女の「気配り」。大阪のおばちゃんのようなその場を支配しようとする気配りではなく、誰の気も悪くしないでその場にそっとたたずむための気配りだ。ひとり参加とはいえ、食事のテーブルなど「立ち位置」を考えて行動する必要があるのだ。私はどこへ行っても「立ち位置」など気にしたことがないので(そして悲惨な経験をする羽目に陥ったりするので)、とても参考になった。普通の人はこういう気配りをしているんだなと感心した。
オーロラを見るツアーで、その人たちだけまだオーロラが見れていない若いカップルを気にして「こっちよ」と声をかけに行ってあげたり。べたべたと誰かにくっつくのではなく、でも、自由行動の中で同じツアーの人と出会ったらフレンドリーに挨拶して情報の交換をする、といったほどの良い気配りだ。
6つの旅のうち、私もぜひ行ってみたいのが、「北極オーロラの旅」「クリスマスマーケットの旅」「モンサンミッシェルの旅」。「欧州最北鉄道ノールランスーク号」には絶対に乗りたい。というか、すぐに荷造りを始めたい。