2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧
前述の『夜明け前』を観て思ったこと。 この善良な一家にこんな重罪人が生まれたのはなぜか、を考えた。 一つには、彼らの善良さ、真面目さが保を追い詰めたのではないかと思うのだ。日本人の多くが持ち合わせている勤勉で、生真面目な性格だ。 たぶん保は、…
「よしのぶちゃん誘拐事件」は、幼心に強い印象を受けた事件だった。日本中が子供の無事を祈っていたと思う。憎むべき犯罪、と誰もが憤った事件だ。 この劇は、犯人の家族たちの懊悩を描いた作品だ。 一人一人の人間が優れた脚本によって立体的に描かれる。…
もう真於先生が可哀そうで、バイオリン三銃士などどうでもよかった。 手の疾患のために多分幼いころから修練してきたバイオリンを諦めざるを得なくなった悲劇に耐える彼女を見ていると、胸がいっぱいになる。 そして悲嘆にくれて家に閉じこもる真於先生のも…
以下、内容とあまり関係の無い、私の思いです。 いつもながら、林真理子ってうまいなあと思う。 物の見方の奥深さ、対象を的確に捉える知性、表現の巧みさ。優れた作家というのはこういう人のことをいうのだろう。 彼女が見せてくれるのは、一切虚飾の無い現…
鴨のロースト 水晶文旦のソース 先週のグランメゾン東京。 「一流のシェフはね、レシピが外へ出ることを気にしないんだ」という京野の台詞が素敵だった。 料理に限らず色々な分野で「アイデアを盗まれた」ということがあるが、実際にはアイデアだけでは何も…