トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『狐笛のかなた』 上橋菜穂子 理論社

「これは、私の心の底にある<なつかしい場所>の物語なのです。」とあとがきに書かれている。 日本的だけれども、いつのものでない、どこでもない世界の物語。上橋さんの他の作品と同じく、読者はするっとその世界に入り込み、体験することができる。 この…

『鹿の王』 上橋菜穂子 角川文庫

綾瀬はるかがすてきだった「精霊の守り人」の原作者の作品だ。 文化人類学者だけあって、構築されている世界観が素晴らしい。豊かな自然、多様な人間の生活、支配、服従、自分を生きようとする力、などなど。ぐんぐん引き込まれる。『指輪物語』を思わせるス…

『悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の協奏曲』 オトナの土ドラ フジTV

「悪魔の弁護人・御子柴礼司」 原作 中山七里 脚本 泉澤隅子 戸田彬弘 これは面白かった。 死体配達人と呼ばれた過去を持つ弁護士御子柴礼司が魂の救いを得るまでの物語。 まず要潤の御子柴礼司が魅力ある人物に仕上がっている。単なる悪役の魅力ではなく、…

笑うな!

先週の土曜日の「激レアさんを連れて来た」は、エグザイルの小林直己さんだった。 「けっして笑わない」ことで自分をアピールし、成功への階段を駆け上った話が面白かった。 才能ある精鋭ぞろいのエグザイルの中で、彼は自己を確立できず悩んでいたそうだ。 …

1月23日(木)プレパト 俳句

1月23日(木)のプレパト俳句 「モノレール」「ルール」としりとりの言葉を繋げたゆうこりんの俳句が素敵だった。 夏井先生に直された句がこちら。 「モノレール」「ルール」冬スバルのしりとり 「モノレール」「ルール」と繋げるセンス、いいな。 早見あ…

浜までは海女も蓑着る時雨かな

浜までは海女も蓑着る時雨かな 瓢水 外山滋比古さんの『知的な老い方』という本に書かれていた。 海に入ればどうせ濡れるのだが、浜に着くまでは蓑を着て体を粗末にしないという海女の心得。 誰もがいずれ死ぬし、老いも免れることはできないが、その時が来…

『虹暈』チンギス紀 北方謙三  集英社

まだ何冊もある、と思うと幸せで自分を抱きしめたくなる。 面白いし、一行一行を楽しめる。 テムジンだけでなく、当時のモンゴル及び周辺の諸将、民、商人などが鮮やかに蠢動していて心躍る。主人公=善、その敵=悪 というような心萎える図式ではない。 こ…

『神去なあなあ日常』 三浦しをん

私の期待を裏切らない鉄板作家のひとり、三浦しをんさんの小説。 奈良との県境近い三重県の山奥の村に強制的に送り込まれた主人公平野勇気の最初の一年が描かれている。 主人公の成長の物語であることはもちろんなのだが、山仕事の厳しさ、醍醐味が生き生き…

浅草初詣

都営浅草線の駅を出たとき、人の流れの濃密さにすぐ「これはいかん」と思った。 浅草、人が多すぎる。平日なのに。寒風吹きすさんでいるのに。いつもそこにあるのに。 本来ならお参りを先にするべきなのだが、お昼時の混雑を避けようと、速攻「並木藪」へ向…

コレド日本橋『皆美』

私の好きな店をもう一店。 コレド日本橋4階の『皆美』です。 島根の郷土料理だけれど、味がくどくなくて上品なので、食べてもお腹にたまらない感じ。和食の良さを極めた料理にお酒も弾む。 〆の鯛茶漬け、ほんとに美味しいし、好みの量の具を匙で掬って載せ…

船橋二和向台 蕎麦 『加賀屋』

久々に加賀屋へ。 ここ半年、タイミングが合わなくて行けなかったので、ルンルンである。 「冷やしおろし蕎麦」。これがうまい。 蕎麦をすすると口中に蕎麦の爽やかな香りが広がる。ぎゅっと山高に置かれている大根の量もちょうど良い。 私の大好きな細切り…

グランメゾン東京 最終回

去年の話になるが、「グランメゾン東京」最終回、期待以上の結末だった。通り一遍の大団円にしていないことが、成功している。 尾花のまぐろと倫子の ハタのロティ 。いったんは尾花のまぐろに決まったが、最終的に倫子は自分のハタを選び、尾花は店を出て行…