トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『獣の奏者』Ⅰ~Ⅳ 上橋菜穂子著 講談社文庫

夏中楽しんだ上橋菜穂子作品にまたはまっている。 「奏者」とはどういう意味なのか。 猛獣「使い」ではなく、「操者」でもなく、「奏者」。読み終わったとき、この言葉の意味が静かに心に沁みてくる。 これはすごく重いテーマだ。エリンは動物への深い愛を持…

『サピエンス全史』人類の誕生編 漫画

『サピエンス全史』 人類の誕生編 漫画 原案・脚本 エヴァル・ノア・ハラリ 訳 安原和見 堀江貴文さん推薦の本。 「集まって形をなしたものは、いずれかならず崩れて塵と消える」という前文が、超かっこいい! 生まれた瞬間から死への旅が始まっているように…

北の富士のジャケット・初場所千秋楽

大相撲初場所、つまらなかった。大関があんなにバタバタやられるなんて、あり得ないし。 とにかく、みんな頑張って! と言いたい。 でも、大栄翔、良かった。鬼神のように押し進む相撲。そこを生かしつつ、いろんな技を身に着け、繰り出して、相手を翻弄して…

『他動力』『堀江思考』堀江さんの本二冊再読

『他動力』 早く独り立ちしよう 俳句のことで、ピンと来た。 もう今年で十年にもなるのに、ぜんぜんダメで、始めたばかりの人から「一緒に頑張りましょう」と言われる始末。 でも、どんどん出来ちゃうし、考えてひねくるの楽しいし、やめられない。 もう焦ら…

『アシュラ』 上・下 ジョージ秋山 幻冬舎文庫

実の母親に焼き殺されそうになるという悲惨な体験からサバイブしたアシュラの「とにかく生き抜く」物語。 時代はたぶん、平安時代。地方の貧しい荘園。 自分らしく、とか自分の人生を、とかいうレベルではなく、人間として、でさえもなく、とにかく、生物と…

『スクールポリス』 1月12日火曜日 午後9時 

まず、藤原竜也が好き。 かっこいいだけでなく、得体の知れないエネルギーを感じる。NHKの『精霊の守り人』の王役に彼の真骨頂が表れていた。神として生まれつき、自らもそう信じる王、しかし悲しいほど人間でもある存在だ。憎まれ役と言っていいと思うのだ…

『サラバ!』 西加奈子 小学館文庫

間違っているかもしれないが、ある意味作者の自伝のような気分で読んだ。主人公は男の子だし、実際と違うことはわかっているが、作者の幼少時代の経験が生かされている し、書くことへ至る軌跡が描かれている点は体験的なものだと思う。 西加奈子というとお…

『逃げろ 生きろ 生きのびろ!』 たかのてるこ テルブックス

OLだった高野さんが書かれた紀行を何冊も読んで、たいへん面白かったのを覚えている。まさに「行きたいときに行きたいところへ」を 実践していた。長期休暇が取りにくいというハンディを乗り越えての旅行に、そして自由で生き生きした文章に魅せられた。 丸…

『滅びの前のシャングリラ』 凪良ゆう著 中央公論新社

凪良ゆうの作品を読む三作目。 ハードでアグレッシブで、混沌としていて、どこかおかしみもある。読んでいて頭ががんがんするくらいのめり込んだ。 小惑星が地球に衝突して人類滅亡するまでの一か月の物語。 読んでいる途中にトイレに立ったりすると、もしか…

東野圭吾さんの文庫本べりーないす!

『素敵な日本人』 光文社文庫 『毒笑小説』『歪笑小説』『黒笑小説』 集英社文庫 ほんまにおもしろぉす! 退屈しているどんな人へも自信をもって薦められる4冊。 文学賞の裏側や編集者の生態を皮肉とユーモアたっぷり描いた作品など、笑えて、少しばかりし…

『流浪の月』 凪良ゆう著 東京創元社

『流浪の月』 凪良ゆう著 東京創元社 更紗のお母さんは荷物を持たずに両手を空けて歩くのが好きだった。両手をぶらぶらさせていたい、と言う。 そんなお母さんを世間の人は「浮世離れしている」と言った。それは、「マイペースすぎてやばい人」という意味ら…

『漁港の肉子ちゃん』  西加奈子 幻冬舎文庫

西加奈子… こーんなに可愛い名前なのに、すごい小説が書ける人。 最近読み始めて、ファンになり、全作品を読み上げようと決意、というか、とても楽しみにしている。 東北らしき小さな漁港に暮らす母と娘。 娘はほっそりと美しい小学4年生の少女。母は焼肉居…