トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

オスカー・ワイルド『サロメ』 岩波文庫

分封ユダヤの王エロドは、兄の死後その妻だったエロディアスと結婚している。 予言者ヨナカーンはエロドを非難するが、王は予言者を恐れているので殺そうとはしない。 囚われのヨナカーンを恋して言い寄るエロディアスの連れ子サロメがこの戯曲の主人公だ。 …

西原理恵子『洗えば使える 泥名言』文芸春秋 (再読)

「やり逃げ人生」「ばっくれ人生」を座右の銘とする西原理恵子先生の味わい深い、偉人・成功者ではない人たちの名言集。 私はこの西原理恵子さんが大好き。友達になれるかはわからないけれど、書いたものを読んでも、テレビCMなどで見ても、可愛くてたまらな…

JR御茶ノ水駅から散歩 ⑴

御茶ノ水駅から湯島聖堂へ向かって歩いてみました。気が付いたのは、「湯島聖堂」と「湯島天神」とは別物だということ。田舎者なんで、知りませんでした。 上の写真は昌平坂。昌平坂も三つあり、一つは「相生坂(昌平坂)」となっていました。湯島聖堂を囲む…

『炉辺のこほろぎ』 ディケンズ作 本多顕彰訳

ジョン・ピアリビングルとメアリの夫婦の愛の物語。とても後味の良い話だ。 メアリのキャラクターがとても魅力的。明るく無邪気で疑うことを知らないかのようだ。彼女の賢さは他人を追い落としたり権力をふるうためのものではなくて、平凡な生活に命と愛を吹…

『夢で会いましょう』 村上春樹/糸井重里 講談社文庫

m; その象はとても素敵なハイヒールをはいて地下鉄に乗っていた。 I; 仮面というコトバは、世間からなくしたい。 急になくすと、へこみができるから、「おめん」とゆーものを代入してみようと 思う。 村上春樹と糸井重里がカタカナの言葉にエッセイや短文…

『クララとお日さま』 カズオ・イシグロ 早川書房 (ネタバレありです)

その辺の子どもよりうちの犬の方がテーブルマナーがいい。犬同伴のレストランでは、ほとんどの犬が静かに座っている中で騒いでいるのは人間の子どもたちであることが多い。性格だってある種の大人よりうちのマルのほうが穏やかで愛情深く、口数も少なく、可…

筑摩現代文学大系39「佐多稲子 林芙美子 集」

佐多稲子の作品は初めて読んだ。 『素足の娘』『灰色の午後』の2作品が収められている。 読後感は、体温が伝わってくる、だ。もっと言えば、隠蔽されたヰタ・セクスアリスのような感じだ。 年代的に性の話は率直にしないものだというのが染みついている。以…

『八月の光』 フォークナー 岩波文庫

リーナは寝室の窓から抜け出して男と会っていた。彼女の妊娠を知った男ルーカス・バーチは逃げ出す。しかし彼女は迎えに来るという男の言葉を信じていた。その迎えの知らせがないのは何か理由があるのだと解釈したリーナは行方も分からない男の後を追って、…

「アイリス・アプフェル 94歳のニューヨーカー」 2015年アメリカ ドキュメンタリー

ニューヨークに行きたい。これは千葉敦子さんの影響だ。フリーのジャーナリストだった千葉敦子さんは、乳がんを抱えてニューヨークへ移住した。人生が残り少ないと悟り、静かに療養する生活を選ぶのではなく、人生の新たなページを開き残りの一滴まで味わお…

『ヘンリー・ジェイムズ短編集』

『ヘンリー・ジェイムズ短編集』 大津栄一郎編訳 岩波文庫 「私的生活」 「私」は才能のない二流の人間。スイスのリゾートホテルで有名人たちと同宿となり、社交生活を楽しんでいる。メリフォント卿夫妻、文壇の大立者クレア・ヴォードレー、美人女優のブラ…

生き変わり死に変わりしないとわからないことがある

今週のお題「叫びたい!」 真子様と小室さんの結婚会見を観ていて、今まで思っていたことをまた思った。これはいじめだ。大勢の人たちが寄ってたかってこの二人を虐めている。 婚約会見以来の流れを、「壮大な恋愛劇場」と言っていたタレントがいるが、当人…

しびれるペンネームとセリフ回し 海音寺潮五郎

『堀部安兵衛』 海音寺潮五郎 鱒書房 剣豪新書 実家の姓の印が押されている古ーい本。父の蔵書だったものだ。 ワタクシの父は時代小説が好きだった。鱒書房、剣豪新書、なつかしい気がする。山手樹一郎が特に好きだった。「遠山の金さん」とか。講談本もたく…

北茨城市「松野屋」と「五浦観光ホテル」

北茨城の良いところ ①野菜がうまい サラダの野菜がめっちゃおいしい。新鮮、栄養、うまみがギュッと詰まってる。 千切りキャベツがこんなにおいしいなんて! ②魚がうまい なんでもない刺身がひとつひとつおいしい。 今回食べたのは「松野屋」の定食。北茨城…

馬瓜エブリン「報道ステーション」松岡修造インタビュー(11月1日)「足はなんのためにあると思いますか」

昨夜の「報道ステーション」、松岡修造のインタビューがすばらしかった。笑顔とその人の良さを100%引き出すインタビューだ。 バスケットボール日本代表の馬瓜エブリン。両親はガーナ人だが、日本で育った。東京オリンピックでの活躍が印象的だった。 長い手…