トマト丸 北へ!

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無医村、なんとかするべきと実感

基本快眠快食快便の私が排尿困難、それなのに頻繁な尿意、痛み。夜何度も目が覚めるという事態が起こった。

翌朝には少し良くなっていたので快方に向かったかと安心していたら、夕刻再び症状が悪化した。

これはいかんとネットで近くの泌尿器科を調べて受付時間終了直前に到着。

受付の人が付き添ってくれて、すぐに診察室へ。

「どうしました?」と訊かれて病状と経過を述べるのを遮って、いらいらした口調で

「膀胱炎でしょう。薬を出しますから、検尿をして来週また来てください」

来週頭に用事で外出しなければならない、一時間おきに尿意が切迫するので何とかならないかと更に尋ねると、

「あー、用事があるなら来なくていい。一日二日で良くなるんだ」

と言った。

近くにいた看護師が私の顔を見た。(看護師は「この言い方はまずいよ」と思ったのか、「この人何を言って先生を怒らせたのか?」と驚いたのか。)

「今度からもっと早い時間に来て下さいっ!」

がんがん怒鳴るように言われて這う這うの体で病院を出る。

しかしこういう応対をするかなあ。受付間近に駆け込むのはこっちだって気が進まなかったが、仕方がなかったのだ。

ばあさんが病状を(医者には分かり切った症例だったのだろう)縷々述べるのを聞きたくなかった気持ちは分かる。その後予定が詰んでいたかも分からない。

でも、藁をもすがる思いの患者に対して、怒り付けるという対応は無いのではないか。

医者とけんかするわけにもいかず、(そんな暇もあたえられず)追い出すように帰されてから、ふつふつと腹が立ってきた。

この怒り、どこにぶつければ良いのか。

惨めな気持ちを家人に訴えるが、例によって無反応。「お前がもっと早い時間に診察を受ければ良かったんだ」と思っているのが歴然としている表情で黙っている。

やり場のない怒りと惨めさがつのる。

しかし、である。

医者が処方した抗生物質を飲むと一錠で病状が緩解した。

痛みはなくなり、頻尿も解決。ぐっすり眠れた。

薬はまだ飲み続けなければならないが、

「先生様、有難うごぜえますだ!」と叫びたいくらいである。

おしっこが出るという当たり前なことがどんなに大切なことかしみじみと実感し、医者は有難いと思った。

難しい病状も多いだろうが、一錠で効き目が出る場合もある。医者に診てもらうというだけで安心するし。

「これはいかん。医者に診せねば」と気づいてから十五分後には病院に到着していた。病院が近くて良かった!

遠くだったら当日は間に合わないし、土日を挟んでしまうと三日も苦しみ続けることになるのだ。不安も、つのるばかりだっただろう。時間外診療へ行くかどうか、悩んだだろう。

怒りんぼでも、つっけんどんでも、医者は有難い。

無医村の人はどんなに不便で心細いだろうと初めて実感したのである。