トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

『すべてのはじまり』 吉本ばなな 幻冬舎

ばななさんのメールレターの本。

今、じっくりと読んでいるところだけれど、一読して心に残った部分を書き留めておこう。

① 根拠のない自信だけを武器に、失敗しまくって生きていく。

  これはほんとに大切。根拠のある自信は外部の出来事によって簡単に打ち砕かれる。その根拠は案外もろいものかも知れない。

  また、何かを成し遂げたからそれが自信になる、自信がなければ何事も成し遂げられない、というニワトリが先かタマゴが先か の世界から飛び出すためには、とにかく自信を持つしかないのだと思う。(とても、難しい気もするけれど、持とう! 自信を!)

 

② 自分はどうしたいか、どうありたいか、それさえはっきりしていれば、前へ進める。もし、失敗したら、そこから、この問いを発することでやり直すことができる。

  後悔の泥沼に全身浸かって立ち上がれないとき(ほんのちょっとしたことでそうなってしまう)、この問いが役に立ちそうだ。

 

③ INSIDE OF ME IS SAFE

 大丈夫。大事に守っていく。不器用であちこちぶつかりまくりの私だけれど、自分自身であることを止めない。

 世の中を上手に渡って行く人(テレビで見る官僚の人とか、広い意味での大小の政治家たちとかグループの中で幅を利かしている人たち)は、上手なように見えて本当は 内なる自分が惨めなことになっているのではないか。人を貶めたり嘘をついたりすることでいちばん傷ついているのは彼ら自身だと思う。得意そうに見えるけれど。

 

④ とにかくひとりでもくもくと書くのが好き

 私がばななさんに共感するなど笑止千万だが、でも「好き」という点は同じだ。

 私に足りないのは、「自分の手を通したものを、必ず 作品というクオリティに挙げてみせる」という覚悟だと思った。画家の知り合いのことをこう書いておられたのだが、プロとアマチュアの違いはここなのだろう。

 

⑤ ばあさんになっても、指さされても、夢見る瞳をして出かけて行きたい

 酒場のこと。今の私には行きつけの酒場はないが、蕎麦屋がある。酒場も開発したいと思ってる。

 この下りのばななさんがだいっすき。すごくいいと思う。

 

⑥ 原点が人を救う

 ばななさんにとっての原点は、ダリオ・アルジェントのホラー映画だそうだ。どん底から這い上がらせてくれるもの、それが原点。

 そういう意味で吉本ばななさんの本は私の原点だ。