トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

『内側に耳を澄ます』 銀色夏生 角川文庫

P208 私の神様から与えられた仕事は、「表現すること」だ。

その後のことをむずかしく考えず、ただ自分を通過したものを形にする。思ったことを口に出す。感じたことを残す。

自分の印象を言葉に表すこと。生きている限り。

この部分がしっくり来た。

言葉の質やセンス、美しさは全然及ばないけれど、基本の感じは同じだと思った。

私は、上手下手とか考えず、ただ書いて行こうと思う。

銀色さんが別の所で書いておられる「庭づくり」と同じで、「別にしなくてもいいこと」なのだけれど、何かに熱中したいから。私には、これだと。

 P286でテレビドラマのシェフの言葉を引用されていたが、ぐっと来たので孫引き引用すると、

 残りの人生を好きに生きられる。南部料理の追求というクレイジーな旅を続けていけ

 る。1年後のことは分からない。誰も知ることはできない。でも今日は今日だ。それ

 に、いい日だ

銀色さんのは、「生活においても仕事においても、どこまで素の自分に近づけるか、生涯それを追求するという旅」だそうだ。

すてき。

私は、「クレイジー」というところが気に入った。何事においても、すると決めたことをクレイジーと言われるまで。 

銀色さんが登校する息子さんにかけてあげた言葉を、自分の励みにしようと思う。

一生懸命勉強してね。無我夢中に! 無我夢中に! 必死でね!