監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
キャスト エドワード・フィーラム ジェレミー・アイアンズ
師弟でもある年の離れた恋人たち。
男は天文学の教授、娘と同じくらいの年の学生のエイミーと密かに付き合っている。
たまにしか会えない二人の逢瀬、別々に取られた部屋、語られない女の秘密。公にはできない二人の間柄だが、愛はピュアで深い。
教授からエイミーへ頻繁に届くメールや電話は、不思議なほどタイミングがいい。まるでエイミーがいつどこで何をしているか全て見通しているかのようだ。
しかし冒頭のホテルでの別れが最後になってしまう。
窓辺に立って彼を見送るエイミーを見上げる男の顔は憂愁を帯びているが、手を振るエイミーは愛される幸せに酔っている。この別れが永遠のものになるなど思ってもみないのだ。またすぐ会えると思っている。
そこの所がいちばん切ない。
エイミーは男の講義を受けるために教室の席に着く。代講の教授が現れる。彼はエドの突然の死を告げる。その直前までエドからのメールを受け取っていたエイミーは信じられないし、その死を受け止めることができない。
ここから謎が謎を呼び、エイミーの秘密も明かされることになるのだが、とにかくエドのエイミーへの愛がすごい。こんなにも愛されるなんて。
エドの愛がホットケーキにかかる糖蜜のようにたっぷりとエイミーに注がれ、沁み込んだところで映画は終わる。不思議なピュアな愛の物語。