トマト丸 北へ!

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私は、Gメンーゴキブリ退治顛末記①宣戦布告

ここ数か月平和的解決を目指して努力して来た。

茶色の小さいゴキブリが徘徊しているを見かけたときは、テレパシーで、

「あなたたちも生きて行かなければならないのは分かる。生きる権利がないわけではない。命は平等。でもでも、ハウスキーパーという立場上、あなたたちを見かけたら、退治せざるを得ないの。私だって、ぜんぜんやりたくない。平和に共存できるものなら、そうしたい。でもでも、洗面所や廊下をうろうろしているゴキブリを放置することは出来ないのです。

 だから、お願い。けっして私の目の前に現れないで。観なければ、いないのと同じだから。殺さなくてすむから」

 この説得が功を奏して、茶色の小型のゴキブリは姿を消した。どこかに居るのかも知れないが、見えなければ、気にならない。知ったこっちゃないのである。

 ところが、二、三日前から、大型の濃い飴色のGがうろうろしている。見かけるのは二匹なのだが、奴らは小型のG達と違って、妙に堂々としている。度重なる説得にも応じようとせず、私の目前をゆうゆうと横切ったりするのである。

 彼らはトイレに現れる。あの狭い空間で、無防備な体勢でG君と共存するなど、ほんと無理。殊に夜は怖い。

 なるべく殺生はしないという方針で生きているが、事ここに至っては致し方なく、G退治に着手することにした。

 とりあえず、ごきぶりホイホイ十個をトイレ、台所、玄関に設置。ブラックキャップも二十四個ばらまいた。まる君が顔を突っ込む恐れのある場所には設置できないので、かなり限定された展開となったが、とにかく決戦の火ぶたは切られたのである。