トマト丸 北へ!

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避けない女

前方から人がこちらに向かって歩いてくる。道は狭い。

こういうとき、すぐに端に寄って避ける人とそうでない人がいる。私は、避ける派。

しかし、こちらが避けることを当然として、堂々と女王のように真中を歩いてすれ違う人がいる。会釈なんかしやしない。これって、なぜか圧倒的に女が多い気がしている。それも、若い人。

傘を差しているときなど、ちょっと傾けて避ける人は素敵だと思う。自分も、そうするようにしている。お互いにちょっと傘を傾けて行き交うのって普通のことだが、良い光景だと思うのだ。

でも一切避けず、避けて貰っても当然という態度だと譲って損した気分になってしまう。私はせこいのだ。

「この頃の若い人」(という表現を使ってしまう年代になったわけだが)って、まま、避けない。

一度、どうなるだろうと思ってそのまま真中を歩いて行ってみようとしたことがある。でも、出来なかった。このまま行ったら当たるという直前に避けてしまう。しかし先方はまったく動じない。ぶつかる寸前だったことに気付いてすらいないように見える。

しかし先日、がんばってそのまま歩き続けてみた。先方も避けない。どんどん近づく。でも、避けない。私も、がんばって避けない。どんどん接近。あっ。

したたかに肩が当たって、私たちはすれ違った。

驚いたのは、彼女が一切動揺することなく、平然と歩み去ったことである。

ぶち当たっても全然平気な人だったのだ。