朝ゆっくり出来る時間があったので、築地本願寺にお参りするついでに「18品目の朝ご飯」をいただいた。
御粥、緑茶、おつゆ、小皿に載った15のお菜。1800円。
鴨のロースト、つくだ煮などおいしい。御粥とお茶はお代わり自由だ。
築地本願寺カフェ。広々として清潔で、お寺らしい清々しい空気が漂っている。注文を取るスタッフの人も心なしか恭しい感じ。緊張してデザートの抹茶プリンを御粥にトッピングしてしまう。
さてこの「18品目の朝ご飯」という名称は、本願寺の御本尊である阿弥陀如来の18番目の御誓願にちなんでつけられたものだと、お膳に添えられたプレートに書かれていた。
阿弥陀如来はまだ如来になる前、法蔵菩薩であったとき、世界中の人々を救おうと48の誓願を立てられたという。「すべての人を救うことができないのであれば、自分は仏にならない」と誓願されたのだ。その18番目の御誓願。
このプレートには、それを「あなたをけっして見捨てない」と訳されている。
詳しい説明や難しい訳よりも、この言葉が心に刺さる。立派な人間でなくとも、泥だらけになってよろめいていても、罪を犯しても、「あなたをけっして見捨てない」。
法蔵菩薩の誓願は成就して阿弥陀仏となられた。だから、すべての人間の成仏はすでに約束されているのだ。南無阿弥陀仏と唱えることによって浄土に生まれ変わることが、確定しているのだ。
間違っていたら申し訳ないが、だいたいこういうことだと理解している。
さらに「あなたをけっして見捨てない」は、ひとりひとりが持つべき大切な誓願であり、この「あなた」には自分自身が含まれていると思う。
自分自身を大切にして、よりよく生きることを諦めない。全世界が敵に回っても、自分を愛する。それが出来てはじめて、他を愛することができるのではないか、という意味もあるような気がする。
近くを通る度にお参りしているが、こういう教えだとは知らなかった。心が広々と救われるような言葉、教えだ。仏教、すごい、と思った。