守り人シリーズを読み終えてしまったので、もうこれしか残っていないと思い、料理本だしなぁと、あまり期待せずに読み始めたのだが、想定外の楽しい本だった。
上橋さんの文章の魅力の一つが、「食べ物がおいしそう!」にあることを改めて認識。
食べることは生きることであり、生きることの歓びだ。岡本太郎風に言うと、上橋さんの本の登場人物たちは、「幸せ」ではない側面を持っているが、誰よりも歓喜を味わっていると思う。
それはもちろん、単に「おいしいものを食べる嬉しさ」ということではなく、彼らが選び取った生き方が食べ物のうまさを際立たせているのだと思う。
しかしとにかく旨そう。
作り方がシンプルで明快であり、料理めんどくさい派の私ですら料理への意欲が湧いて来る。このレシピを書いた人、出来る!
同じものを作ろうとがんばらなくてもいい感じ。日ごろの料理のヒントになるし、楽しい。
ちなみに「温泉玉子」だが、こんな簡単に作れるとは知らなかった。
写真とレシピだけでなく、上橋さんの一文がそれぞれ添えられているお得な本である。
私が食べてみたいのは、「あぶり餅」と「胡桃餅」。