トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

まず自分。徹頭徹尾自分。

成功する人は人間関係がうまくいっている。「豊かな人間関係」を持っている人のほうが絶対しあわせ。

自分とうまく行っていないと他者ともうまくいかない。

他人を許せない人は他人から好かれない。

自分を許せない人は他人を許せないから、まず自分を受け入れよう。

以上のようなことが説かれている本をけっこう見かける。

正しいと思うが、順番が間違ってる気がする。

「豊かな人間関係を持つこと」が目標で、そのためにするべきことは自分を受け入れることだ、となると、まず「豊かな人間関係」に目を向けることとなる。

私は、他者との関係に目を向けている限り、人間関係はぜったいにうまくいかないと思う。幸せにもならない。

人間関係がうまくいかない人が「だから私はだめなんだ」と思い、必死に「豊かな人間関係」を目指すと、得てして「役に立つ人」「好かれる人」「いい人」になろうとしてしまいがちだ。

「いい人」が他人に好かれるわけではなく、都合よく利用されるだけという結果になることのほうが多い。利用されるだけだと、どうしても内心おもしろくないから、どす黒い憎しみが少しずつ溜まっていき、最終的には嫌な奴になってしまいがちだ。そうなってもまだ「利用される」という特性は抜けないから、悪循環で惨めな人生になってしまいがちだと思う。

私が見ていると、人間関係うまく行ってる人は、ほとんどが「他人のことなどあまり気にしていない」人だ。親切にしたとしても、その時々の気まぐれだから見返りなど全然考えず、すぐに忘れてしまう。嫌なことをされたとしても、もともと自分にとってどうでもいい存在のしたことだから、その場でやり返すかすぐに忘れてしまう。

自分と自分がしたいことにしか関心がないから、余計なおせっかいもせず、したがってトラブルに巻き込まれることも少ない。

やたらに「腹心の友」を欲しがるアン・シャーリーにしたところで、そもそも全く空気を読まないおしゃべりな少女だ。マシュウがほとんど返事をしなくても一方的にしゃべりまくる。マリラに気に入られようと努力するでもなく、ただただ自分のしたいこと関心のあることに夢中だ。リンド夫人におべっかを使ったりせず、堂々と癇癪を起こす。ギルバートには石板をぶつける。

アン・シャーリーは人間関係など目じゃないのだ。ただただ自分らしく生き生きとしているだけ。だから魅力的なのだ。

アンが「私は孤児なのだから周りの人たちに好かれなければ」と気を遣いまくり必死に媚びを売ったとしたら、誰が縁もゆかりもない彼女を引き取って育てようと考えるだろうか。誰が腹心の友になるだろう。誰が彼女と恋に落ちるだろう。『赤毛のアン』がベストセラーになって現在まで読み継がれたりするだろうか。

まず自分。徹頭徹尾自分。この順番がとてもだいじだ。他人のことや「人間関係」など考えず、自分以外のことはテキトーにやるに限ると、私は思う。