トマト丸 北へ!

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「東京オリンピックを開催したらほんとうに新型コロナの感染者が増えるのか」と言ってる人へ

やはり思ってた通りの発言をする人が出てきた。人と言ってもテレビに出ているコメンテーターの人。

東京オリンピック中止してほしいの声が高まってきたが、私は必ず「オリンピックでほんとに感染者が増えるの?」という疑問の声が上がると思っていた。案の定、今日「オリンピックの開催で感染者がほんとうに増えるのか、冷静に考えてみたほうがいい」という意見を言ってる人がいた。

「ほんとうに感染者が増えるのかどうか」、今分かる訳がない。結果が出なければ分からない。3か月後、4カ月後に増えたとしても「ほんとうにオリンピックが原因で感染者が増えたのかは分からない」と言えるし。

これは「GOTOトラベル」の時もそうだった。「GOTOトラベル」では感染者は増えない、十分な対策を取れば大丈夫なのに、と言われ、感染者が増えた後も「GOTOトラベル」が原因かどうかは分からないと言われた。中には芸能人で「GOTOトラベル」」は感染増の「原因じゃなかったですよね」と言い切る人もいた。もしそうなら、なぜ今「GOTOトラベル」、やってないの?

今ほぼ確実に予想できるのは、オリンピック開催中新型コロナに発病した一般の人が十分な治療を受けたり入院したりすることが困難になるのではないかということだと思う。今現在でさえ病床数が不十分だったり、コロナ以外の病気で必要な医療が先延ばしになっている人がいる。それが後2か月で改善されるのだろうか。それが出来るならなぜ今までに出来なかったのだろうか。

一般国民が割を食うことはほぼ確実ではないのだろうか。今現在ですら、重症なのにも関わらず入院できない人が居て、しかもその数が増えつつあるのではないか。また、今現在必要な手術が延期になっている人がいないとでも言うのだろうか。そういう人たちは数が少ないのだからオリンピックという大義の前には我慢しろということなのか。

人の流通が良くないというので制限をしている。ほんとうに人間の流れを抑制することが必要なら、なぜ世界中から人を呼ぶのか?

国民に行きわたっていないワクチンを選手や関係者に優先的に供与し、症状のある人、濃厚接触者、お金に余裕のある人など一部の国民だけがそれもお金を払って受けているPCR検査を無償で彼らに受けさせる。(濃厚接触者は無料なのか、そこは知らないが)そのうえ税金で彼らの「人生を賭けたイベント」を実施してあげなくてはいけないのか。IOCを儲けさせなくてはならないのか。オリンピック関係者や選手と一般の人とが接触する機会はあまりないと言っている人がいたが、ワクチン打ちました、PCR検査陰性ですとなったとき、「これなら外出してもいいのではないか」と思わないだろうか?ましてボランティアの人たちには優先的なワクチン接種は行わないと言う。体温などを記録するノートなどの「安全に活動するためのキット」を配るというが、そのキットで身を守れるとほんとうに思っているのだろうか。それなら今すぐ全国民にそのキットを配ってほしいものだ。

こんな状況では、どんな素晴らしい競技が行われたとしても感動できそうにない気がする。コロナの病床で苦しみながらオリンピック競技の映像を見て「勇気づけられて感謝」するだろうか。たとえそれが死の床であったとしても「感動をありがとう!」と言えるのだろうか。「俺たちはおっちょこちょいだからオリンピックのような夢のあるイベントはやってほしいと思ってる」と言ってる人、そういう病人たちを目の前にしてもそう言えるのだろうか。感染しなかった人はオリンピックが開催されなかったとき、あるいはちょっとがっかりするのかも分からない。その「がっかり」って、たとえ少数であっても適切な治療すら受けることなく死んでいくかもしれない人の苦しみと比べられるものなのだろうか。

感染者も死亡者も他所の国よりは少ないとは言ってもゼロではない。正直に言って健康に自信ある人であれば、コロナの治療に当たっている医療関係者や自粛を余儀なくされている飲食業などの人々以外の人間は、TVのコメンテーターの方々を含めてあまり困っていないと思う。実感を持って困ってない。

私の属している趣味の会の人たちが、私に「会に出てきて」と言うのだ。「ぜひ来て」と言われ、その気持ちは嬉しいのだが、基礎疾患を抱える家族のことを思うと会に参加する気持ちにはなれない。万一コロナに感染したら死ぬでしょうと言われているのだ。発病したら使える薬も限られるのだ。その人たちはコロナが流行していてもこの程度ならあまり心配ではないし困っていないのだろう。私だって家族のことがなければ出かけていくと思う。

たぶんほんとに「コロナが怖い」人は少数なのだろう。少々患者が増えたとしても「このくらい仕方がないよ」と思うのだろう。恐れてばかりいては何もできないというのも本当だ。だから、行動をどうするか感染対策をどうするかは自己責任だという面もあると思う。

でもオリンピックをどうするかというような一国の舵取りにおいては政府が責任をもってやってほしい。そこまで「一人一人の自覚にかかっています」「一人一人が気をつけましょう」では困るのだ。

世論も、大きな力を持っていると思う。TVのコメンテーターの方々もマスコミという大きな影響力を背景にしているのだから、慎重に発言してほしい。こんな発言をしたら損だとか、こう言えば受けがいいという動機からだけでなく誠実に言葉を発してほしい。みんなのためを思ってほしい。特に「お医者さん」の人には「無難な意見」ではなく「正直な気持ち」を表明してほしいと思う。素人考えだけれど、忖度や保身が垣間見えるような気がするのだが。

言論の自由は守られなければならないから、自分の意見を言ったからといって非難されることはない。でも、私は、今ここで誰がどんな発言をしたかを、あるいは発言しなかったかを覚えておこうと思う。

それともう一つ。百歩譲って日本は大丈夫だとしても、今世界は本当にパンデミックの終息へ向かっているのかどうか。楽観できる状況なのだろうか。伝えられているインドの悲惨な現状。ほかにも大変な国は多いのではないか? だとしたらオリンピックなどやっている場合ではなく、余裕のある国は無い国へ力を貸して、コロナの収束へ向けて邁進すべきときなのではないだろうか。それが出来てこそのオリンピックなのではないだろうか。

これは、昨今のニュースやワイドショーを見ての私の素朴な感想であり、確信があるわけではありません。ほんとは全然だいじょうぶで、「国民の不安」だけが問題なのだとしたら、「冷静に考えようよ」という意見はもっともだと思います。問題なのは、今どういう状況なのか信頼できる情報が得られないということです。