トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

『大豆田とわ子と三人の元夫』第4話 主演 松たか子     脚本 坂元裕二

八作が早良の目の前で俊明に「こんな女やめとけ」「やっすい女」と言ったので、スッとした。早良が俊明に残酷なことを言おうとしたのを察知して怒りを感じて言ったのだ。

早良みたいな自信たっぷりの自己中女が嫌い。男が自分を拒否できないと思い込んでいる。八作が彼女に遠慮しているのは親友の彼女だからなのに、それを自分の魅力だと勘違いしているダメなやつ。自分の気持に忠実でまっしぐらなのはいいが、人を傷つけることに鈍感なのはいただけない。早良を嫌うと同時に、俊明の良さを理解し大事に思っている八作がすてきだと思った。もしかしたら「モテたい人にモテなかった」というその相手は俊明なんじゃないかとも思う。ミステリアス。

とわ子の三人の元夫、みんな素敵すぎる。

子供の時からの親友かごめもいい。市川実日子、もともと好きな女優さんだけれど、このドラマのかごめ役は彼女の良さが全開だ。3億の遺産を施設に寄付しちゃったり、そのくせ自分はボロアパートに住んでいたり、子供を誘拐して指名手配されたり。でもって「信号のない横断歩道を渡れない」かごめ。かごめととわ子の長年にわたる交流のエピソードも斬新だ。そして、

「私にはルールがわからないの」「みんなが当たり前にできていることができない」かごめ。私もそういうところがあるので、かごめの気持が分かる気がする。とわ子と一緒に書こうとしていた漫画のペンネーム「空野みじんこ」を自分だけで再開しようと決めたことにも、すごく共感できるのだ。

2人の映像、大人になって再び信号のない横断歩道を手をつないで渡る姿、徹夜で漫画を描き続ける姿が胸にぐっと来る。この二人はまだ子供時代の夢を生きているんだなと思わせてくれる、懐かしく暖かな映像だ。

回を追うごとに内容が深まり面白くなってくる今季イチ押しのドラマだと思う。