気分が落ちそうなとき、ヘタレになってしまったときは、ひとりさん本が有効だ。
「自己啓発本」を批判する人もいるけれど、気分を上げて何が悪いと思う。やっぱり勇気づけられるし、実際に生きていくうえで腑に落ちることばかりだ。時々大切なことを思い出して確認するのもいいものだ。
いちばん救われたのは巻末のQ&Aで、「新型コロナの世界的流行の意味」について問われて、「『世界が一つになって助け合いなさい』ということです。」と答えておられたところ。
もし意味があるとすれば、ほんとうにそうだと思う。このパンデミックを収束させるためには、すべての国で流行が収まる必要があるからだ。自分だけ、あるいは自分の国だけ無事なら良いということではないし、それぞれの国が世界のためにもがんばる必要があるのだから。そのことに気づいて、みんなで良くならなくちゃね、という気持ちになれればいいのにと思う。ただ弱いものや運の悪い人たちだけが犠牲になったり苦しんだりして、終わるとみんな忘れて以前と同じ快楽を追い求める生活に戻るというのでは救いが無い。
「『世界が一つになって助け合いなさい』ということです」と言ってもらえたことで気持ちが明るくなった。そうでない動きが多く見られる気もするけれど、でも、どこかにそういう気持ちが芽生えれば、きっと世界は良い方向へ向かうと思う。
P61 やりたいことを、自分の気が済むまでやって、眠くなったら寝るーそういうことを誰にも気づかうことなくやれる毎日が最高なんです。
P94 あなたがまず幸せにしてあげなきゃいけない人は、他の誰でもない、あなた自身です。
自分に都合の悪いことを考えてはダメなのです。
考えてみると、ひとりさんは、私がずっと誰かに言ってもらいたかったことをすっぱりと言ってくれている。
「好きなことばかりやってちゃだめです。大変なことになるよ」とか、「自分のことだけ考えるなんてダメ。自分よりまず他人のことを先に考える人が偉いのです。」「自分に都合よく考えているのでは進歩がないわよ」などと刷り込まれてきた。それを言う人は私を自分に都合の良い存在にしようとして言っているのだった。そういうの、はねのけるべきだったのに、真に受けてしまっていた。
怖いのは自分が惨めだと他人にやさしくする余裕がなくなってしまうことだ。都合よく利用はされても、ほんとうに良いことはできない。よく言われることだけれど、幸せな人間だけが他人を幸せにできるのだ。
ほっこりできた。この本はBOOKOFFへは持っていかない。