トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

『エアガール』、なぜ坂口健太郎と広瀬すずは結ばれないのっ!(3カ月遅れの、見た人しか分からない感想です)

春に録画しておいた『エアガール』をやっと見る。

前半はすごく面白かったけれど、後半だれてきて、正直に感想を口にした連れ合いとけんかになる。私も内心ちょっと退屈してきていたので、指摘されてむっとしたのだ。

前半はすごく面白い。「日本の空を取り戻そう」と奔走する松木吉岡秀隆)たちの血のにじむような努力、広瀬すず演じる初代エアガール佐野小鞠が空へのあこがれへ向けてまっすぐに突き進む爽快なドラマ、とても見ごたえがあった。昔の男たちは敗戦という非情な状況にありながらGHQにも勇気を持って物申す気概があったんだなと心が震える。それに比べて今の政治家、実業家って、どうなの? と思ったりもした。

広瀬すずもめっちゃ可愛くて、明るくて、良かった。白洲次郎と談判決裂し、いったんは席を蹴って帰ろうとした松木がすずの笑顔に冷静さを取り戻す場面も良かった。こういうこと、あると思う。希望と無垢な信頼が人を動かすこと、あると思う。広瀬すずに応援されたら、誰だって頑張れるのでは。

でも、その後が… 正直ちょっと退屈した。それでも見続けたのは、坂口健太郎広瀬すずが結ばれる場面を見たかったからである。しかし現代の場面で、広瀬すずが二役を演じる孫娘と老紳士橋爪功さんの会話が進むにつれて、だんだんと怪しくなってきた。もうこれはいかん、と思い、かなり飛ばして見たので詳しい事情は分からないが、二人は破局したのである。「二度と会うことはなかったのです」。

これは史実を材料にしているとは言えフィクションなのに、なぜ二人が結ばれないのか理由が分からない。ドラマは娯楽なんだから、喜ばしてほしかった。「美しい青春の思い出? けっ!」という感じ。

坂口健太郎、いつもながら超カッコよかった。それが後年橋爪さん? 映画『キッチン』のときからの橋爪ファンではありますが、どんなに年とっても坂口健太郎が橋爪さんにはならないと思う。