トマト丸 北へ!

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『探偵倶楽部』ーー東野圭吾はやっぱり鉄板

 

 ほんとに東野圭吾は鉄板。

まず楽しめる。すごくわかりやすい、状況とか人物像とか、難なく頭に入ってくる。作家なら当たり前と言う人もいるかもしれないが、これがなかなか。わざとなのかと疑うくらい意味なくわかりにくい文章、描写がけっこうある。もうそこで楽しくなくなる。

著者はくっと読み込ませる作品も書いているが、飛行機に持って乗ったり、寝る前に読むのに最適な作品が多いのだ。

そのもう一つの理由は、適度に溜飲が下がること。勧善懲悪があらわだと白けるが、後味が悪いのも嫌だ。第二話。手違いで起こった殺人を第三者として見ていた人物が最後に愕然とする。おもしろくて腑に落ちる結末だ。