綾瀬はるかが大好きなのです。
彼女の出演作の中でイチ押しなのが、この「精霊の守り人」のヒロインであるバルサだ。殺陣のカッコよさ、愁いを帯びた表情、愛しさあふれる笑み。凄惨な戦いの人生を歩んでいるにも関わらず、父とジグロに愛されて育ったことによる優しさと無垢な心が失われることはない。
バルサの少女時代の横溝菜帆もいい。私のめっちゃ好きな顔だ。可愛くても媚びない顔。無心な眠りの床から王の権力闘争という無慈悲な運命の手で連れ出された驚きと苦しみを小さな体で精いっぱい受け止めて生き抜く根性。そしてジグロを見つめる瞳が愛おしい。親友の頼みとはいえ、この子のために祖国も家族も仲間も捨てたジグロの気持が理解できる。
この壮大な物語、もちろん原作を全編読んでいるが、映像も遜色ない魅力を持っている。それはバルサ役をはじめキャストがみな適任だと言うこと、世界観をしっかりと写し取っていること、カメラワークの美しさ、などによるものだ。
バルサは別格として、まず新ヨゴ国の帝藤原竜也。この人ほど帝の衣装が似合う人はいないと思う。人間でありながら神として生きる矛盾と神秘的な雰囲気、透明感。
これはバルサの心の旅でもあり、王子の成長の物語でもある。人が埋没してしまいそうな豊饒な自然のある時代、善も悪も人もただそこにある。あるがままにある。その中で死力を尽くして生き抜く人々が美しい映像で描かれている。
この夏は「精霊の守りびと」の世界を旅するつもり。バルサと共に。