トマト丸 北へ!

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土屋賢二『不要不急の男』は一冊で、二度とは言わず三度四度おいしい

 土屋先生が老人ホームに入られた。土屋先生がマンション暮らし。なんだかショックだった。お年は知らないが、なんとなく親戚のおじさんみたいな親近感を勝手に抱いていたのだ。

でもお元気で快適に過ごしておられるようで一安心だ(ほんとに余計なお世話である)。

老人ホームの利点として挙げておられる点。

 「居心地はいい。今後何百年でも住んでいたいほどだ。」

 「職員の人たちはとても親切だ。」

 「行動は自由だ。」

これらは今の住まいで私が感じていることとほとんど同じだ。居心地はいいし、警備員の人やスタッフの人たちはみな親切。そして自由がある。

土屋先生のマンションとの違いは「緊急ボタン」がうちには無いということ。しかしこれは警備会社にオプション機能をつけてもらえば可能となる。

先生と同じようなことをメリットと感じているのがちょっとうれしい。

「ただ管理費を滞納する自由はない。」これも、一緒。戸建てだと管理費の心配はない。しかし間断なくメンテナンスをしなければならないから、その手間と費用を考えれば相殺される。

ほんとにお互い思い切って引っ越して良かったですねと言いたい。

土屋先生が居心地よく、自由に、変わりなくひょうひょうと生きておられることがうれしかった。土屋先生の文章はすらすら読みやすく楽しいが、どこかでヒヤリとしたりむむっと考えさせられたりする。読み返しても楽しい。たまにだが、文春を買ったときはいつも「ツチヤの口車」を真っ先に読んでいるのだ。