トマト丸 北へ!

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自民党総裁選のテレビに思うジェンダーの闇

高市早苗さん、彼女が女性であるがゆえに強く当たっている人たちがいる。

いろいろな考え方、主義主張があるのは当然で、それが反社会的なことでなければ自分の意見を表明することで非難される理由はない。自分が違う意見なら、そう言えばいい。

さて、高市早苗さんは、テレビで拝見する限り、頭脳明晰でよく勉強しておられる。自分の思いを伝えたいという気持ちもはっきりしている。それは誰が見ても明らかだと思う。この人をいわゆる「タカ派」というのかも分からないが、自分の考えを持っていて正直にそれを言って何が悪いのだろうか。好感を得ようとして歯に衣着せっぱなしの人や言を左右する人、玉虫色で生き延びようとする人たちより、その点ではずっと立派だと思う。

それをただ感情的に否定しようとしている人たちがテレビの画面の中にいる。安部さんや菅さんに対しても同じように率直にものを言ってきた人たちならそれでもいいが、言ってなかった気がする。

特にある女性アナウンサーが酷かった。そのきびしい口調、現政府のおじさまたちにぶつけてみてください、と言いたくなる。権力を持った男たちに対しては「わきまえある女性」でありながら同性に対してはあからさまな蔑視や嫌悪や批判を浴びせる(ように感じてしまう)。見ていて悲しくなってくる。

男の中にも、彼女に対してあきらかに上から物言う人たちが見受けられる。男の政治家と全然違う扱いをしている。

それが高市さん個人を評価してのことなら仕方ないが、性差別ではないのかとあたしは感じるのだ。

森さんがいみじくも「わきまえておられて」と評した女性たち。彼女たちは自分からは発言しようとしなかったと言う。こんなことを言われて恥ずかしくないのだろうか。自分から発言しようとしないのなら、委員会に名を連ねるべきではないだろう。しかし、そういう風に動ける女だけが男性社会で仕事をする(利用される)ことができる。わきまえないと「場」を与えられないからだ。それはそれで生き方だからいい。でもこれからは違う人たちに出てきてほしいと思う。潮のように強いうねりとなって社会を変えていってほしい。

また、権力ある男性に媚び、気に食わない同性は猛獣のように襲い掛かって倒す、男性社会の中であくまでも少数の特別待遇の女性でありたい女たちもいる。この人たちがいちばんたちが悪い。高市さんは、少なくともこういう女性たちの同類ではないのではないかと、期待している。

もちろん高市さんも「わきまえて」いたからここまで登って来られたのかもしれない。相当の苦難があったことは想像できる。

でも、実はあたしはこの人に、今とても興味を持っている。行動力が半端ない。計り知れない感じがする。USAで仕事をしていたこともあるし、自分から松下政経塾に飛び込んだ。意地悪なことを言われても笑顔できちんと対応する自己コントロール力もある。どんな話題を振られても、原稿を見ずに滔々と話す能力がある。他の候補者たちは「自分の意見を言う」というだけで誉められているのに、高市さんに対しては辛いのではないか。

高市さんが私淑しておられるサッチャー氏の軌跡を考えると、「鉄の女」というカッコいい呼び名と共に必ずしも一般庶民にとってやさしいとは言えない政策を断行したのではという疑問があり、不安につながらないでもない。日本をどこへ向かわせようとしているのか不安もあるが、少なくとも先日テレビで言っていたことは妥当だと思った。

自民党総裁として、ひいては総理大臣として誰が良いというのではなく、女性であるがゆえに不利益を被るのはどうだろうと思うのだ。

MCの中で大下洋子さんだけは、言うべきことをきちんと言いながら相手も尊重するというプロとしてのスタンスを見せていた。この人にも注目している。