原題は ”THE END OF DIETING” 。
私の「最後のダイエット」のテキストである。
ほんとに体重が減らない。年を取ったせいもあると思う。今までは10㎏くらいすぐに減っていた。そしてまた太る。「風船みたいに膨らんだりしぼんだりするね」と言われたものだ。でも今では膨らんだままだ。
昨年もこれぞ究極のダイエットと信じてリーンゲインズダイエットを実行した。明らかに摂取カロリーは減ってるはずなのに体重はほとんど減らなかった。ついにへこたれてやめた。
気を取り直して先月から始めたのがこの「減量の正解」ダイエット。
規律と管理と超人的な克己力を必要とするダイエットは長続きしない。
P227 もし何かに成功するために汗や涙を流さなければいけないとしたら、それは間違った方法である。
すごく共感する一文だ。ラクに続けられること、精神的な充足感を感じられるやり方でなければ、それは間違っているということなのだということ。
太っている人間は社会から圧力を受ける。仕事やステイタスに影響を及ぼす場合もあるだろう。また、太っているがゆえに蔑みの対象となることもある。そこまできびしい圧力ではなくてもちょっとしたマウントを受けることはけっこうある。
そして最悪の事態、自分自身が自分を責めてしまうようになってしまう。太っている自分、食欲に負ける意志の弱い自分、みっともない自分が嫌になり、自分を断罪する。
「P171 いちばんひどい加害者は自分自身」になってしまうのだ。
しかし「あなたは悪くない」。「P239 あなたの身体は自分自身を守ろうとしただけなのだ」。
自分自身と向き合って「P85 なぜ体が余分な脂肪を蓄えることが『必要』だったのか、その理由を知ることが重要」なのだ。
人類の歴史において、危機に陥ったときはエネルギーを蓄える必要があった。疲れたとき、寒いとき、敵に襲われそうなとき、苦しいとき。脂肪は体を守りエネルギーの素になるものだから、そういうとき必要だったのだ。
そして現代においても身体は危機に陥っていると判断するとエネルギーを摂取しようとする。現代ではその危機は精神的なものであることが多い。
P42 私たちの摂食行動は、栄養やエネルギーをとるためでなく、心理的な欲求やホルモンの影響を大きく受けている。たとえば、あわただしい仕事や人間関係、あるいは仕事から受けるストレスによって摂食行動は大きく左右される。ダイエットはこうした問題をどう解決するかにかかっている。
「P127 肥満は精神の不安定が表面に表れたもの」なのだ。
この論の展開はとても説得力がある。
私の結論は、自分の不安定な心を落ち着かせ、心と体を安心させる必要があるということだ。心と身体が安心すれば過食は避けられるはずだと思った。
P45 十分な睡眠と健全な精神がカギとなる。
「P84 体が発する声に耳を傾け、そのシグナルの意味を理解し、これまでの人生で経験した苦しい出来事を感情的かつ心理的に消化」することが必要なのだ。
つまり体よりまず先に心を解放することだ。
私がこの本を読んで考えた方法;
①管理や規律でなく「エネルギーをくれるもの」で自分を満たす
②自分を信じる
③規則正しい生活
④他と自分を比べず、好きなことに関しては「そのことをいちばん楽しんでいる人になる」ことにする。
体のケアとしては、
①毎日の運動
②十分な睡眠
③ジャンクフードのとりこにならない
④簡単なものでよいから自分で料理したものを食べる
つまりストレスを避け、ストレスに強い精神を養い、十分な運動と睡眠をとり、口に入れるものに注意する、ということだ。
1㎏ほど、今減っている。でももう体重が減ることを主たる目標にはしない。標準体重になるまでこのままの自分ではだめだとか、考えない。心と身体に向き合い、自分自身を愛し、楽しく暮らす。それで今の体型なら、それが私でその自分を(少なくとも自分だけは)いとおしんで生きようと思う。太ってる人間はだめだと思ったり言ったりする人は勝手にそう言ってればいい。