トマト丸 北へ!

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テレビドラマ『スーツ』

2011年から始まったアメリカのテレビドラマ「スーツ」。日本版もフジテレビで放送され、月曜の夜を楽しませてくれた。

天才的な頭脳の持ち主だが弁護士資格を持たないマイクが、ハーヴィー・スペクターに見出されて「ピアソン・ハードマン法律事務所」に弁護士として就職。ハーバード卒と学歴も偽っている。ハーヴィーはすべて承知の上でマイクを自分のアシスタントにした。

弱肉強食の世界。ハーヴィーも実績を伸ばすために日々戦っている。マイクはハーヴィーに鍛えられ、守られ、機会を与えられて、しだいに一人前の弁護士として成長していく。同時にハーヴィーも相棒のマイクとの交流の中で人間らしい温かさを示すことができるようになる。

登場人物で好きなのは、ハーヴィーの秘書ドナと敵役のルイス、そして優秀なパラリーガルでありマイクと愛し合うようになるレイチェル・ゼインだ。

めっちゃきれいなレイチェルはメーガン・マークル。美人で野心もあるし、正義感も人間味も持ち合わせている。金持ちの娘であるにもかかわらず自立したいと望んでいる。父親に認めてもらいたいという思いからハーバードのロースクールを目指すが、何度も失敗している。そういう役の設定も好きだし、メーガン演じるレイチェルの表情、身のこなし等、好きすぎる。王子を射止めて当然の美しさだ。イギリス王室、彼女を失うなんて!

しかしこのドラマにはひとりも「良い人」が出てこない。「手段を択ばない」がモットーの人たちばかりなのだ。みんなが魅かれるのは「闘っている人たち」だからだと思う。頭が良く才能もあり口八丁手八丁の人間たちがしのぎを削っているのだ。誰一人として油断しないし、手を抜かない。これが社会の現実なのか。見たことの無い世界だが、おもしろい。

ハーヴィーも始めはスーパーマンのような水際立った仕事ぶりだったが、実際は次々と苦境が襲い掛かる。しかし「銃を突きつけられたとしてもその対応は140通りある」と言い、どんなピンチにも諦めない。

3シーズンまでノンストップで毎日観てしまった。今ちょっと疲れているので、一休みだ。実はマイクの偽装人生が苦しすぎて、もう見るのを止めようかとさえ思ったのだが、先の話をググってみるとやっぱり見ないわけにはいかない波乱と怒涛の展開のようだ。「どうなったか」ではなく「どのようにして?」が気になるドラマだ。