トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

バスのお出かけ、映画、モンスーンカフェ

先々週爆発してしまった。言ったことはいいのだが言い方がまずかった。しかも弱い者へとばっちりが行った。最低。

こういうときは自分のケアだ。

オタク人間ではあるが、やはり外から取り込むものも必要。隠者のような日々は快適だったが、あまり続くと良くないのかもしれない。

と言うことで、週に一日は外出しようと決めた。昨日はバスでモールへお出かけ。

久しぶりに乗るバスは楽しかった。スイカでピッとして窓際の席に座る。通り過ぎる街並みを見ているだけで心弾むものがある。景色を観つつ運ばれて行くといううれしさはバスでも味わえる。

モールに着いてぶらぶらしていたら「モンスーンカフェ」があった。一度行ってみたかったお店。満員で、少し待って案内される。天井の高い南国風の作りだ。

シンハービール、ルーロー飯、エスニックトースト、サラダ。うまい。キンドルで『夏姫』を読みながら。

中国の歴史物が好きだ。大きな時の流れの中で生き抜く人々の群像が「くよくよしても始まらない」という気分にさせてくれる。目先の欲、保身で動く人間の愚かさも身に沁みてくる。等々、本との時間を充実させながら味覚も満足。

映画は残念だった。キャストがぴったりでよく出来ているのだが、何かが足りない。主人公が結ばれる女の人に好意が持てなかった。その人は何も悪くないのだが。

綾瀬はるかさんの水泳コーチが良かった。とにかく熱心。全能力を傾けて水に賭けている。見ていて泳ぎたくなった。

先日久々に『プリティウーマン』を見たが、筋はなんでもないものなのに心浮き立つ。観た後、なんでもない日常のことが楽しく感じられる。これは「夢のあるシンデレラストーリィ」だからではない。

ジュリア・ロバーツの出演する映画はみんなそうなのだ。ジュリア・ロバーツは存在そのもので訴えかけてくるものがある。床に座ってテレビの映画を観ているだけのシーンがとても素敵なのだ。彼女がしょぼいシングルマザーになれば、その女が訴えかけているものが必ずある。女学生になればその日常のこまかな動作まで魅力的だ。

どんな人生でも生きていることは意味があると感じさせてくれる。言葉でなく存在そのもので。

『プリティウーマン』のビビアンの魅力はそのジュリア・ロバーツの魅力なのだと思う。娼婦がシンデレラになる理由はそこにしかない。

綾瀬はるかさんもそういう種類の俳優だ。昨日見た作品でも、その魅力は際立っていた。彼女に焦点を当てれば良かったのにと思う。その物足りなさだ。水中で精神の海に溺れる生徒を抱きとめるシーンは秀逸だった。交通事故のトラウマで道を歩くことに極端な恐れを感じる彼女が、パニックになりながらも生徒を案じてその住まいを訪れる。それは恋ではなく教師の使命感だ。そのあたたかさ、カッコよさ! だからこそその姿に惚れない男はアホだと思ってしまう。ストーリィ的には無理があるが、ぜひコーチのほうへ行ってほしかった。そこから子連れのシングルマザーへ行くなんてあり得ない。

そんなことを考えながら帰りのバスに乗っていた。