「つだぬまや」が好きな理由。
① 蕎麦がうまい。やや細麺で滋味があり、のど越しが良い。するするとたぐると、
口中に旨みが広がる。
② 蕎麦つゆもうまい。濃過ぎず薄過ぎずのこくのあるつゆだ。蕎麦をいちばんうまく
する、ほどの良い甘みだ。
③ 歩いて行けるところにある。うちから歩いて十五分ほど。休日のお昼前に、週日の
昼過ぎに、ぶらりと家を出て馴染みの蕎麦屋へ向かうことこそ、私にとっては村上春樹言うところの小確幸なのである。
④ 女ひとりで入れる。一人客が浮かない店だ。一人用のカウンター席があるのだ。
ふらっと入り、蕎麦とお酒を注文すると、ちょっとした杉浦日名子気分。
⑤ 種物などのとき、蕎麦湯のための器を出してくれる。蕎麦湯用の蕎麦猪口が出る店
はポイント高い。
⑥ 蕎麦少な目が頼める。お酒を飲んだり天ぷらが付くとき、蕎麦少な目はうれしい。
⑦ じゃまにならない程度に低くジャズが流れている。
⑧ 大通りから少し下がった路地にある。静か。
⑨ 接客が上等。行き届いているだけでなく、ホスピタリティにあふれている。
今日の蕎麦
冷酒 大入りひっぱりだこ さっぱりと辛口でほのかな酸味があり、たいへんに
飲みやすい。滋賀のお酒。
三月の蕎麦 海老天が五つも! それもけっこう立派なぷりぷりとした海老だ。
蕎麦がうまい。