トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

もののけ姫

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このごろはイヤホンガイドを贔屓にしているので、今日も配役が分かってうれしい。

今日覚えたのは、市川團子、中村壱太郎、市川笑也。中車はお馴染み。

笑也って、好きだな。老女の役でも艶なり。

今日は花道の内側の席で、臨場感半端ない。なんなら衣装の端が我が身を掠めるくらい。

宙乗りは、團子ちゃんが私目掛けて舞い降りてくるのではという勢いでした🩷🩷🩷

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大ゴッホ展

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この「夜のカフェテラス」を「正面から見る」ための行列が展示場内に作られていた。

写真も撮れるのだ。

二回、並んだ。

会場全体が大混雑。

人混みは苦手だなとつくづく思う。

この行列を見たらゴッホも驚くのではないか。

ちなみに絵を見終えて売店へ行こうとしたら外へ誘導され、そこには今日中に入れるかどうか心配になるレベルの行列が出来ていた。一目見て心が折れて踵を返す。

スタッフの人たち、大変だなと思う。みんなが怪我のないように、スムーズに観れるように、ぎすぎすしないで誘導している精神力はすごい。

一人、妻を横入りさせようとしたおじさんが「妻です!」とロープの中に引き入れようとしていたが、やんわりと断られていた。

皆、絵を見るよりもイヤホンガイドを聞いたり、絵の説明を読むのに時間を取られているような気がする。

それでも、やはりゴッホには惹かれる。

光や色彩より、今回はくっきりとした静謐な輪郭線に心惹かれた。

バルビゾンのころの働く人々の絵。力に満ちた短軀の人物。腰の確かさ。

光で言うと、老人を描いた絵で、落ちくぼんだ小さい瞳の光に瞠目した。

解説に「光は闇の中でこそ際立つ」とあった。

 

 

NHK俳句7月号(2026)を読む

今月書き抜いた俳句

をさなくて昼寝の国の人となる    田中裕明

沖を帆のゆつくりと過ぎハンモック  鷹羽狩行

この出逢ひこそクリスマスプレゼント 稲畑汀子

今日もなほ絵踏みや何か踏みつづけ  加藤楸邨

星空へ店より林檎あふれをり     橋本多佳子

今日よりも明日が好きなりソーダ水  星野 椿

カステラに沈むナイフや復活祭    片山由美子

断崖をもつて果てたる花野かな      〃

人入つて門のこりたる暮春かな    芝不器男

 

 

 

 

『幸せのひきがね』所ジョージ著 読んで楽しく納得した

 

いつも楽しそうな所さん。テレビで時々見る「世田谷ベース」は男の憧れとか言われるけれど、女も憧れる。スペースじゃなくて、そこで何をしているか、どんな気分でいるかが大切と思う。機嫌良く自分の好きなことをしているのが素敵。

エッセイもおもしろい。でもって腑に落ちる。

「世田谷ベース」シリーズをこれから読んでいこうと思うと、とても楽しみだ。

で、『幸せのひきがね』も良かった。

<楽しい人は何でも楽しい>

これってほんとにそう。

ちょっと前に涼しい場所で仕事終わりらしき男の人たちが三人、立ったままくつろいで缶コーヒーを飲んでた。ちょっと疲れてて、でも機嫌良さそうで心が通じ合ってる感があっていいなと思った。

缶コーヒーひとつ立って飲んでるだけでも楽しそう。

ちょっとしたことでも楽しめる人が豊かな人なんじゃないかな。

<上手くいかないことを前提に物事を始める>

他の所で「どうせ自分は大した人間じゃないと思ってる」と書かれていた。だからうまく行かなくても当たり前。べつに凹む必要はないというスタンスだと思う。

私なんかちょっと躓くともう「私はだめだ」とか「これは止めろというお告げ」とか思ってへこたれてしまう。人に何か言われるとすぐに嫌になってしまう。

これって、自分ならうまく出来る筈だという仮定から入ってる。つまづくのはおかしいという考え方。

でも私なんか、何かやってもつまづいて当たり前。何事も無く終わるわけがないのだ。

所さんだってそうなんだから。

<失敗を修復するのは楽しい作業>

人生を楽しむ極意かも。

<良いように取る>

こういう意味のことはいろいろな人が言ってるけれど、「良い様に取る」って、この言い回しが所さんらしくて、いいんだなあ。

ネジとナットのたとえとか、猫足の椅子に気をつけよう、とか、表現がおもしろく、ほわんとさせてくれる。

「動物昆虫」もめっちゃ楽しい。

三菱1号館美術館『カフェに集う芸術家』観てきたよ

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すてきな中庭でいつも休んでいたが、今回とうとう中に入ってみた。

建物内を歩き回るだけでも気分が上がる。

企画展『カフェに集う芸術家』も良かった。

「文化が生まれる場所とは」みたいなことも考えた。

 

 

NHK俳句6月号(2026)を読んだ NHK全国俳句大会結果発表

これまでほとんど毎年投句していたNHK全国俳句大会、去年は出せなかった。

くしゅんとさせられた事件(?)があって立ち直れない間に締め切りが過ぎてた。

良くないよね、人をくさらせるのは。今はその元凶の人たちと付き合わなくて済んでることに感謝だし、そういうことを自分は言わないと決めた。少なくとも言わないよう注意する。

結果を見る楽しみがないのは残念だった。今年は這ってでも出そう。

○題詠「口」の部におもしろい俳句がたくさん

 仮の名を山口さんと月の下       吉野

 シーサーの口の奥まで大西日      花輪

 人類は口から亡ぶジギタリス      下村

 天高しこの空だけを共有す       坂本

○「天高し」の句、せつなさもあり、想像力もかきたてられる。

 「仮の名」の句、なんかおかしい。

ひろがることば 遊べることば 浦川聡子

 すてきなことばをたくさん教えてくれるコーナーだ。

 今月は、「あまつつみ」、「薬降る」、「私雨(わたくしあめ)」に惹かれた

 「雨休み」もいいことば。

○私の第一句集『野干(やかん)』筑紫磐井

 「王朝俳句」って、いいな。

 俳句はもっと自由に詠んでいいのだと思った。

 「ともかくも俳句を溜めることに専念した」ところも良かった。

 名前の印象からすごい高齢の方と思っていた認識を改めた。

○心に残った句

 待つ明るさ夏うぐひすの次の声      加倉井秋を

 良夜とは墨のひろがりはじめかな     筑紫磐井

 花影婆娑と踏むべくありぬ岨の月     原石鼎

 高々と蝶こゆる谷の深さかな        〃

      

 

NHK俳句5月号(2026) 「発想というのは飛ばすというよりは繋いでいくもの」(夏井いつき)

 

本の著者や俳人の名前を書くとき、敬称をつけるかどうか、悩ましい。

「~さん」というのは馴れ馴れしい。「様」は不自然だ。「先生」と言いたいが、それも厚かましい気がする。

著名な人は名前をそのまま書くのが普通だと思う。

例えば「夏目漱石」だと、「漱石は」とするのが自然。中沢新一も「中沢新一」でいい。正岡子規も、「子規」「正岡子規」。

ただ、現代の俳人で私淑している人だと「先生」とお呼びしたくなる。選句していただているし。

そう考えると俳句というのはおもしろい。「NHK俳句」などに投句すると選句していただける。入選するしないはあるが、選句していただいているということは完全な一方通行ではない。

一般主婦の句が憧れの俳人の目に触れるという。

すごいことだと思う。購読料安い!

たまに一字ほどが直されていることさえある。感激しちゃうのである。

「NHK俳句」などの句誌は、そういう意味でもすごい仕事をしていると思う。

で、5月号の「NHK俳句」。

 

○小川軽舟先生の年間テーマは「暮らしを思い出す」だ。

最先端の風俗を詠むことについて書かれていた。今、ここの自分を詠むことが俳句なら、今現在の風俗が描かれるのも当然だと思った。

普通の暮らしの中でふと立ち止まる瞬間を詠む。

○夏井いつき先生の「発想というのは飛ばすというよりは繋いでいくもの」という言葉もハッとさせるものだった。飛ばすってほんとに出来なくて、入選してる作品を見てため息をつくばかりだ。空を飛べと言われるくらい難しい。どうすればいいものか。

 「繋ぐ」なら出来そうな気がする。少なくとも取り付くことはできる。

○神野紗希『航と海』、毎月楽しみに読んでいる。今回は航の「渡り鳥の目をインストールする」という言葉が印象に残った。

「渡り鳥みるみる我の小さくなり      上田五千石 」

鳥ではなく、「我」が小さくなる。鳥の目から見れば。

この視点の変換がすごい。

森山もいいことを言っていた。

「自然なことさ、休むことこそ人間の本分なんだから」

「ね、できなくたって、大人になれるのよ、海ちゃん」

キンドルアンリミテッドで読んだライトノベルの一文を思い出す。

「人には向き不向きがあるのだから」。自分ができることをやればいいのだ。

○今月印象に残った俳句

 打ちあけしあとの淋しさ水馬        阿部みどり女

 じゃがいもの花に朝の蚊沈みゆく        〃

 山をなす用愉ししも母の春         竹下しづの女

 戯曲よむ冬夜の食器浸けしまま       杉田久女

 越後屋に衣さく音や更衣          其角

 更衣して胸元の水明り           藤本美和子

 愁ひつつ岡にのぼれば花いばら       蕪村

 牡丹切るあとをただちに埋むる葉      皆吉爽雨

 光堂より一筋の雪解水           有馬朗人

○竹下しづの女の句、母として親近感を感じる。幸せだったんだなと感じ、うれしい。