トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

2022-01-01から1年間の記事一覧

愛犬の死を看取れなかった後悔が胸を噛む。でも良かったときのことを考えたい。

私は看取れなかった。彼が去って後、そのことが胸を噛む。連れ合いも「救急病院に連れて行ったり入院させたりせず、家で看取ってやりたかった」と言う。 「抱っこして膝の上で死にました」という話を聞いていて、私もそうしたいとずっと思っていた。でも、い…

『すみれ荘ファミリア』(凪良ゆう著)は想定外の展開に背筋が寒くなる

『流浪の月』の凪良ゆうの作品。(『流浪の月』、映画も小説もめっちゃいい。ぜったい、おすすめ) p87 闘うための武器が武器の形をしているとは限らない。(甘いおかしということもある。) p220 道しるべを見落とさないよう、自分が自分を愛してあげなさ…

家事がラクになる20冊⑴土井善晴『一汁一菜でよいという提案』新潮文庫で料理が好きになる

●「提案」というのがいい。 この題名からして心にしみてくるというものだ。 「○○歳までにしておくべき」とか「間違いだらけ」「遅すぎる何々」などプレッシャーをかけてくる題名、副題が多い中、こうしてみたらどうでしょうか、という口ぶりだけで心和む。 ●…

星友啓『スタンフォード式 生き抜く力』 

オーディオブックで聴いた。 著者は「スタンフォード オンラインハイスクール」の校長。 この学校についてネットで調べてみた。 「スタンフォード オンラインハイスクール」とはスタンフォード大学の中にあるオンラインハイスクールで、中1から高3までの約90…

和田秀樹『80の壁』 幻冬舎新書 読んでめっちゃ気がラクになった

80歳の壁 (幻冬舎新書) [ 和田秀樹 ]価格: 990 円楽天で詳細を見る 話題の本を読んでみた。 年を取るって、楽しいんだと思った。 要は気楽に行こうということだと思う。 だいじだと思った三つのこと。 ①嫌な思い出との付き合い方 新しいことを上書きする。…

私にはいいことしか起こらない

エリカさんのエッセイが好きだ。親切で明るく、勇敢な精神を感じる。 窓の側の小さな本棚に置いてときどきランダムにめくっている。 『ニューヨークの女性の「強く美しく」生きる方法』 大和書房 P23 どんな状況でも楽観的に生きる 楽観的になるのは、私には…

上橋菜穂子『香君』を読む

上橋菜穂子、待望の新作『香君』上・下 文藝春秋 ちょっと待って買った。美味しい料理には最後に箸をつけるという人種のように、なんだかすぐに買うのがもったいない、という。ひとたび手に取れば最後まで読んでしまうこと必至だ。未読の作品がゼロになって…

美術展&蕎麦を楽しむ

国立西洋美術館 企画展「自然と人のダイアローグ」へ。 今日はこの2点で頭も心もいっぱいになった。 ゴッホ「刈り入れ」とクレーの「月の出」。 クレーはもとより大好きな画家で、この人の絵がある展示室に入るとすぐに第六感で「ここにある!」とわかるく…

バスのお出かけ、映画、モンスーンカフェ

先々週爆発してしまった。言ったことはいいのだが言い方がまずかった。しかも弱い者へとばっちりが行った。最低。 こういうときは自分のケアだ。 オタク人間ではあるが、やはり外から取り込むものも必要。隠者のような日々は快適だったが、あまり続くと良く…

俳句の20冊ー4冊目『型で学ぶはじめての俳句ドリル』

『「型」で学ぶはじめての俳句ドリル』 夏井いつき 岸本尚毅 祥伝社 俳句の20冊の4冊目。 夏井先生が「チーム裾野」とよく書いておられるが、この本で「俳句が百年後も富士山のように高くて美しい山であり続けるために必要な豊かで広い裾野」と説明されてい…

『巡り会う時間たち』を観る

U-NEXTで『巡り会う時間たち』を観た。2002年USA、スティーブン・ダルドリー監督。 1923年英国リッチモンドのヴァージニア・ウルフ、1951年合衆国ロスアンゼルスのローラ・ブラウン、2001年ニューヨークのクラリッサ・ヴォーン。3人の女のある一日が同時進…

船井幸雄『一粒の人生論』をオーディオブックで三度聴いた

楽な気持ちにさせてくれた二つの考え方。 ⑴世の中のすべてのことはマクロで見れば良くなる方向へ向かっている。 ⑵すべては必然、意味のあることである。 「マクロで見る」というのがだいじだと思う。 人類は進歩していないと言う人もいるが、どう見ても良く…

ちきりん『多眼思考』を読んで開眼した

ちきりん『多眼思考』 大和書房 気になったところ、開眼させてくれたところ 014 「誰と時間を過ごすのか」は、「何をするか」とほぼ同等。(もしかしたらそれ以上)に大事。 これはとても共感する。高級料理を嫌な奴と食べるより一人で本を読みながらファス…

不朽の名作=ヴィクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』をオーディオブックで聴いた

「生涯尊敬できる者と出会うこと、また全身全霊をかけて愛せる者と出会うこと、その両方を得たジャンバルジャンはきびしい人生ながら、この上なく幸福であったと言えましょう。」 ジャンバルジャンの死に際して贈られた言葉が胸を打った。 貧しさゆえに一切…

山本健一『利休にたずねよ』をオーディオブックで聴いた感想ー高麗から来た女の魅力

この作品を映画でも観た。 海老蔵の利休ははまり役だしいい映画だったが、利休の心に食い込んで離れなかった高麗の女がやはりちょっと残念だった。坐った形などほんとうに美しいのだが、原作のイメージとは違うという気がした。超然としているはずがにらみつ…

牧師ミツコ『74歳、ないのはお金だけ あとは全部そろってる』(すばる舎)が心なごむ

宗教に対してどうも懐疑的になってしまう私だが、この本を読んで心和んだ。この人の生き方がすてきで、信仰というハードルを乗り越えることができるならプロテスタントの教会へ通いたいくらいだ。 P167 街をひとりで歩くのが楽しみ 「こんなとき、私はひとり…

ちきりん『自分の意見で生きていこう』を読むーこの不確実な世界でつぶされないためには「意見を持つ」ことが必要だ

『自分の意見で生きていこう』 ちきりん ダイヤモンド社 3つのきづき ①人生における大切な問題にはどれも唯一の正しい解答などない この不条理不確実な人生における正解のない大事な問題について自分の意見を明確にできなければ、自分のオリジナルの人生を…

ドストエフスキー短編『クリスマスと結婚式』をオーディオブックで聴くー世界に悲劇は絶えない

『クリスマスと結婚式』 ドストエフスキー 米川正夫訳 オーディオブック 「無名氏の手記より」とある。 語り手の無名氏は、とある結婚式と行き合う。彼は5年前の出来事を思い出す。 5年前、語り手は大みそかの夜に子供の舞踏会に招かれた。子どもの会とい…

オーディオブック『年収1億円になる人の習慣』山下誠司著で覚醒?!

自分よりずっと若い著者の本を読むのが楽しい。とても勉強になる。人間はどんどん進歩しているのだという気分になれる。 この本も良かった。フェラーリに乗りたくて、かっこよくなりたくて、億万長者になりたくて、そういう自分の欲望に忠実に、誇りを持って…

感想・オーディオブックで聴く『野菊の墓』(伊藤左千夫著)~泣ける!

オーディオブックで聴いた『野菊の墓』。 結末の部分で泣いてしまった。「民さん」が哀れで哀れで。 以前読んだことがあると思うのだが、記憶とたいぶ違っていた。「民さん」のイメージをか弱く可憐なだけだと思っていたのだが、気が弱いにしても品位のある…

感想・小野不由美『風の万里 黎明の空』十二国記 上下 新潮文庫

風の万里 黎明の空(上) 十二国記 (新潮文庫 新潮文庫) [ 小野 不由美 ]価格: 737 円楽天で詳細を見る 『月の影 影の海』に続いて陽子が出てくる。 鈴、祥瓊、陽子と私の十二国記4大ヒロインのうち三人が登場する。(4人目はもちろん『図南の翼』の珠晶…

樺沢紫苑『インプット大全』 サンクチュアリ出版

『アウトプット大全』が示唆に富んでいたので、インプットの方も読んでみた。インプット3にアウトプット7くらいの割合が理想とあり、生活が楽しくなった。それまで特別な才能のある人だけがアウトプットを許されると思い込み、アウトプット全般にどこか腰…

「道の駅とみうら(冨浦)」が最近のお気に入り

館山道をぐんぐん走って終点で下りてちょっと行ったところ。(地図の読めない女の説明)でも、看板もあるし、すぐわかります。 以前にも書いたけれど、店の裏手がイングリッシュガーデンのようになっていて、川もある。橋を渡って丘の上に出ると一面の菜の花…

村上春樹『村上ラヂオ』 マガジンハウス

村上春樹 文 大橋歩 画 村上春樹のエッセイ集の中でも特に好きな一冊に入る。もう何度も読んで、本もちょっと古い感じになっている。 大橋歩さんの絵がすてき。高校生くらいのときかな、「アンアン」が創刊。田舎の女子高生は「東京」へのあこがれをこの雑誌…

濱口竜介監督・脚本『ドライブ マイ カー』

DRIVE MY CAR 監督・脚本 濱口竜介 脚本 大江崇充 家福悠介 西島秀俊 渡利みさき 三浦透子 高槻耕史 岡田将生 家福音 霧島れいか 村上春樹の短編小説は難解だ。長編がわかりやすいというわけではないが、私には短編のほうがより謎に満ちているような気がする…

ドラマ「ミステリと言う勿れ」第9話  フジテレビ

昨夜の第9話もめっちゃおもしろかった。 第8話から2回連続なのだが、この前と同じく2回続いてもちっとも長いと思わない。いったん謎が解きほぐされたと思ったらまた掘り返される。その度に登場人物たちの見え方が変わってくる。 後半の整くんの「透明人…

田村美葉『できるだけがんばらないひとりたび』 KADOKAWA

副題は「ひとり旅する前に知っておきたい51の心得」 この題名と副題はイマイチだと思う。「がんばらない」がいかにもという感じだし、副題の「心得」という言葉があまり好きじゃない。上から目線を感じる。 でも本の内容はぜんぜんそうじゃない。「旅」の楽…

テレビドラマ『スーツ』

2011年から始まったアメリカのテレビドラマ「スーツ」。日本版もフジテレビで放送され、月曜の夜を楽しませてくれた。 天才的な頭脳の持ち主だが弁護士資格を持たないマイクが、ハーヴィー・スペクターに見出されて「ピアソン・ハードマン法律事務所」に弁護…

春の築地界隈

今日は築地界隈を散策。 築地川公園は小流れの水も心なしか温かく見え、もう少ししたら小さな虫や水辺の生き物たちが姿を現すのではないかと思う。梅も、もう咲いていた。 井戸の手押しポンプを押してみている親子。きらきらと光る水が小さな手にふれては落…

中谷彰宏『美人は片づけから』 だいわ文庫

片づけよう! という気持ちになれる本。 ①「片づける」とは、どういうことか。 自分の生活をデザインしていらないモノを捨てることであり、いらなくなったモノを捨てて人生をアップデートすることだ、と書かれている。 だから「片づける」行為で性格は明るく…