トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

読書・書評

さくらももこ『ひとりずもう』を読み、ももこさんの青春ににっこり

ひとりずもう (集英社文庫) 作者:さくら ももこ 集英社 Amazon 子ども時代からのことが書かれているが、漫画家になるまでの「青春記」と言っていいだろう。 これを読むと、さくらももこさんが単なるおもしろおかしい人ではなく、芯が強く自分をしっかり持っ…

池田晶子『残酷人生論』を読む

残酷人生論 作者:池田 晶子 毎日新聞社 Amazon この表題の「残酷」の意味はよくわからない。あまりこだわらなくていいのかなと思うことにしよう。 この本を読んで考えたことはこの3つだ。 ①社会と存在 「人間は社会的存在である」「人はひとりでは生きてい…

日本近代短編小説選 明治篇1 岩波文庫

12の短編が入っていて、なかなかの難物だった。名前だけは知っているがどんな作品があるのか知らない作家(幸田露伴など)の作品が読めてよかった。 明治という時代の熱が伝わってくる気もするし、隔世の感を抱きもする。でも、改めて読み直してみるのは良…

『大いなる遺産』鍛冶屋のジョーは悲しいほど良い人だ。

大いなる遺産(上) (岩波文庫) 作者:ディケンズ 岩波書店 Amazon 下巻を読むかどうかわからない、と始めに言っておく。 鍛冶屋のジョー・ガージャリーの妻であり自分の姉である「ねえちゃん」に「哺乳瓶で手厚く」育てられたピップの数奇(と言っていいだろう…

レイチェル・カーソンの名著『センス・オブ・ワンダー』ー生きていくためにシニアにこそ必要なもの

センス・オブ・ワンダー(新潮文庫) 作者:レイチェル・カーソン 新潮社 Amazon 美しい挿絵の入った小さな本。これは繰り返し読む本になると直感した。 p15 わたしたちは、嵐の日も、おだやかな日も、夜も昼も、探検に出かけていきます。それは、何かを教え…

宮部みゆき『レベル7』

レベル7(セブン) (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon 失踪した女子高生。目覚めると記憶を失っており、しかも見知らぬ同士が同じベッドに横たわっていた若い男女。過労死で夫を亡くした女性が淡いかかわりを持っていた女子高生を探して動き出す…

ついにおちかが嫁入り『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 第二話「だんまり姫」がいちばん良かった。 「一国様」と呼ばれる幼いあやかしが可愛くて愛おしい。肉親の手にかかって死んだのに道理を聞き分けて沈黙を守った健気さと哀…

宮部みゆき『ドリームバスター』のフルスロットルな世界観

ドリームバスター 作者:宮部 みゆき 徳間書店 Amazon 現代の日本のとある場所に生きているあなた。あなたの心がストレスや恐怖で悲鳴をあげるとき、それを聞きつけて別の星からやってきた凶悪犯罪者があなたの夢に入り込む。実体を持たない彼らは、生き延び…

益田ミリ『美しいものを見に行くツァー ひとり参加』で旅行気分を味わう

美しいものを見に行くツアーひとり参加 (幻冬舎文庫) 作者:益田 ミリ 幻冬舎 Amazon 「スーツケースはリモワのサルサエアー」とか、「機内に持ち込むもの」など荷造りの時点からワクワク。漫画、写真、イラストがいっぱい入っていて、とても可愛らしいページ…

近藤康太郎『三行で撃つ』気づきの③俳句に役立ちそうなこと

表現の仕方について具体的な記述があり、とても参考になった。書く意欲が湧いてくる指摘ばかりだ。その中から、あたしが俳句を作るのに役立つと思ったこと。 ⑴「としたもんだ」表現を避ける。 これは、とても根本的なことだ。常套句を避けるということ。 「…

近藤康太郎『三行で撃つ』気づきの②ルーティンに落とし込むためにはどうすればいいか

書き続けるために有用なこと ⑴書き続ける 習慣にする ⑵一人称を変えてみる ⑶スタイルを持つ 憑依されるくらい、ひとりの作家に傾倒する。また、別の作家に憑依される。自分をなくして、初めて自分ができる。 ⑷語り芸を聞きまくる ⑸最低6回は書き直す ⑹時間…

近藤康太郎『三行で撃つ』気づきの①「書き、愚劣な世界を、生きる」

三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾 作者:近藤 康太郎 CCCメディアハウス Amazon p63「文章を書くのはなんのためか。~中略~狭量と不寛容と底意地の悪さにあふれた、争いばかりのこの世界を、ほんの少しでも住みやすくするため、生きやすくするた…

『アウトプット大全』ーアウトプットで人生を回して行く

ホラー映画のあらすじを読んだ。ホラーは好きだけれど絶望の中で終わるのは絶対にいやなので、ホラーに関しては、感情移入しないで見れるか、そうでなければ誰かが勝ち残る展開になっていることを確かめてから観るという邪道を歩んでいる。 読んだのは「人肉…

宮部みゆき『おまえさん』人物評

おまえさん(上) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon おまえさん(下) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon 男で好きなのは源右衛門。不遇な人生をマイペースで生き抜く。 南町奉行所で与力を務める本宮家の次男に生まれた彼は養子先でうま…

中谷彰宏「1秒で刺さる書き方」から学んだ3つのこと

1秒で刺さる書き方 伝わらない文章を劇的に変える68の方法 作者:中谷彰宏 ユサブル Amazon 1.嫌われることを恐れない 「あいつ、あんなことを書いて」と笑われる覚悟が必要だとある。「言い切る」潔さが肝要ということだろう。 ついつい「など」とか「と思…

『ねこねこさんの ハンドレタリング』で手仕事再開だっ

ひとりさんの「我慢しない生き方」の本を読んで、もっと好きなことをやろう、まだまだ好きなことにかける時間が少ないと思い、手仕事を再開することにした。すごく不器用なのだが、ちょこちょこと手を動かすことが好き。 はじめてでもグリッドでキレイに描け…

斎藤一人『我慢しない生き方』の3つのポイント

斎藤一人 我慢しない生き方 作者:斎藤一人,舛岡はなゑ ぴあ Amazon ①「楽しいことをやろう」でエネルギをためる 好きなことをすればエネルギーのレベルが上がる。これは実感している。逆に言うと、嫌なことを我慢しているとエネルギーのレベルが下がってくる…

みうらじゅん著『「ない仕事」の作り方』は、めっちゃ楽しい人生を作る本

「ない仕事」の作り方 (文春文庫) 作者:みうら じゅん 文藝春秋 Amazon p3 すべては「マイブーム」から始まる この「マイブーム」というのは、「まだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして、新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて、世の中に届…

宮部みゆき『ぼんくら』は「サイダーハウス・ルール」の世界

ぼんくら(上) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon ぼんくら(下) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon 読み始めてすぐ、ジョン・アーヴィング原作の映画「サイダーハウス・ルール」を思い出した。 1999年のアメリカ映画だ。孤児院でラーチ…

土屋賢二『不要不急の男』は一冊で、二度とは言わず三度四度おいしい

不要不急の男 (文春文庫) 作者:土屋 賢二 文藝春秋 Amazon 土屋先生が老人ホームに入られた。土屋先生がマンション暮らし。なんだかショックだった。お年は知らないが、なんとなく親戚のおじさんみたいな親近感を勝手に抱いていたのだ。 でもお元気で快適に…

宮部みゆき『ICOー霧の城』上・下は読む3D

ICO-霧の城-(上) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon ICO-霧の城-(下) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon トクサ村には何十年かに一度頭に角の生えた子供が生まれる。その子はニエとして「霧の城」へ送られる。それを否めば村に恐ろし…

宮部みゆき『誰か somebody』の桃子が好き

誰か―Somebody (文春文庫) 作者:みゆき, 宮部 文藝春秋 Amazon この杉村三郎シリーズを私は最新刊『昨日がなければ明日もない』から読み始めてしまった。宮部みゆきは刊行数が半端ないので、私にはその全貌が把握できないのだ。それで、書店で目についた本を…

ひろゆき『無敵の独学術』から工夫がだいじだと

無敵の独学術 作者:ひろゆき 宝島社 Amazon 3つのことを学んだ。 ①ゴールをはっきりさせる 独学は何かしたいことがあってからの学びだ。なんとなくこれやっとこうか、では計がゆかないし、どこへも行きつけない。 勉強が好き、というより勉強している(格好…

宮部みゆき『人質カノン』

人質カノン (文春文庫) 作者:宮部 みゆき 文藝春秋 Amazon おもしろいだけでなく、別の人生を体験したような気分になれる7つの短編。 表題作「人質カノン」 「そうか、コンビニ友達なんだな、あたしたち」 深夜のコンビニで顔見知りになった高校生。強盗に…

『最高のオバハンー中島ハルコの恋愛相談室』はからっと晴れた青空のよう

最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室 (文春文庫) 作者:真理子, 林 文藝春秋 Amazon 10話からなり、十個の「相談」が書かれているがどれも痛快なアドバイスだ。中島ハルコはべたべたと同情したり、「その人の身になって考え」たり気持ちに寄り添ったりし…

『とり残されて』宮部みゆき

とり残されて (文春文庫) 作者:宮部 みゆき 文藝春秋 Amazon 北上次郎の「解説」がとても良かった。宮部みゆきの本って、私の好きな人がよく解説を書いている。すごい豪華メンバーの解説ばかりなのだ。 北上次郎は7つある作品のうち最後の「たった一人」を…

『ステップファザー・ステップ』で宮部みゆきに夢中継続中

ステップファザー・ステップ 新装版 (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon 両親がそろって、それぞれ別の相手と駆け落ちしてしまった双子の 直と哲。 これって、でも子供にとっては楽しみな境遇かも知れない。中学生になれば親なんかもうそれほど必…

宮部みゆき『幻色江戸ごよみ』 くっきりと青い江戸の空が見えた

幻色江戸ごよみ (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon 江戸を舞台にした12の短編が集められている。いずれも市井の片隅に生きるつましい庶民の物語だ。 これを読んで、人は皆「死にたくない、生きたい」と願っているのだと思った。生き延びるために…

『スナーク狩り』宮部みゆき著の範子は稀代の悪人

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム) 作者:宮部 みゆき 光文社 Amazon 題名に魅かれてずっと読みたいと思って楽しみにしていた作品。おもしろくておもしろくてグングン読み進む。解説の池上さんが書かれていたけれど、ほんとに映像がまざまざと浮かんでくる…

『最低で最高の本屋』松浦弥太郎著を読む

最低で最高の本屋 (集英社文庫) 作者:松浦 弥太郎 集英社 Amazon 松浦弥太郎さんの本は、定期的に読みたくなる。けっこうきびしいことが書いてあるので避けたい本でもあるけれど時々自分の気持を引き締めたくなると買って読む。どれにするか決め手は目次。目…