トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

読書・書評

『とり残されて』宮部みゆき

とり残されて (文春文庫) 作者:宮部 みゆき 文藝春秋 Amazon 北上次郎の「解説」がとても良かった。宮部みゆきの本って、私の好きな人がよく解説を書いている。すごい豪華メンバーの解説ばかりなのだ。 北上次郎は7つある作品のうち最後の「たった一人」を…

『ステップファザー・ステップ』で宮部みゆきに夢中継続中

ステップファザー・ステップ 新装版 (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 講談社 Amazon 両親がそろって、それぞれ別の相手と駆け落ちしてしまった双子の 直と哲。 これって、でも子供にとっては楽しみな境遇かも知れない。中学生になれば親なんかもうそれほど必…

宮部みゆき『幻色江戸ごよみ』 くっきりと青い江戸の空が見えた

幻色江戸ごよみ (新潮文庫) 作者:みゆき, 宮部 新潮社 Amazon 江戸を舞台にした12の短編が集められている。いずれも市井の片隅に生きるつましい庶民の物語だ。 これを読んで、人は皆「死にたくない、生きたい」と願っているのだと思った。生き延びるために…

『スナーク狩り』宮部みゆき著の範子は稀代の悪人

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム) 作者:宮部 みゆき 光文社 Amazon 題名に魅かれてずっと読みたいと思って楽しみにしていた作品。おもしろくておもしろくてグングン読み進む。解説の池上さんが書かれていたけれど、ほんとに映像がまざまざと浮かんでくる…

『最低で最高の本屋』松浦弥太郎著を読む

最低で最高の本屋 (集英社文庫) 作者:松浦 弥太郎 集英社 Amazon 松浦弥太郎さんの本は、定期的に読みたくなる。けっこうきびしいことが書いてあるので避けたい本でもあるけれど時々自分の気持を引き締めたくなると買って読む。どれにするか決め手は目次。目…

『探偵倶楽部』ーー東野圭吾はやっぱり鉄板

探偵倶楽部 (角川文庫) 作者:東野 圭吾 KADOKAWA Amazon ほんとに東野圭吾は鉄板。 まず楽しめる。すごくわかりやすい、状況とか人物像とか、難なく頭に入ってくる。作家なら当たり前と言う人もいるかもしれないが、これがなかなか。わざとなのかと疑うくら…

西加奈子『おまじない』の「孫係」はナイスアイディア

おまじない (ちくま文庫) 作者:西 加奈子 筑摩書房 Amazon 8つの短編が収められている。どれも心にかりかりと引っ掛かり、適度な快感のある作品。西加奈子さんの小説って、いい。 たぶん同じ感想を抱く人が多いと思うが、「孫係」がいちばん好き。 すみれの…

『世界でバカにされる日本人』を読んで身につまされた

世界でバカにされる日本人 - 今すぐ知っておきたい本当のこと - (ワニブックスPLUS新書) 作者:谷本 真由美 ワニブックス Amazon 要するにもう日本はすでに先進国でもなければメジャーな国でもないということだ。なんか、句会における自分の立ち位置と似てる…

『あんじゅう』三島屋変調百物語事続を読んで

あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「藪から千本」に出てくる「本家の姑」が嫌。何がしたいのか、わからない。 信心深い人物で双子を忌む気持ちから、双子の孫娘の片方はけっして本家に入れてはならないと遺言。…

『マンガみたいにすらすら読める哲学入門』ーテンポよく読める楽しい哲学入門

マンガみたいにすらすら読める哲学入門 (だいわ文庫 B 344-1) 作者:蔭山 克秀 大和書房 Amazon これは面白い! 著者は予備校の講師だということだけれど、講義を聞きに行きたいくらいだ。 いちばん印象に残ったのは、キリスト教の愛「アガペー」についての説…

『ノマド』 家を捨てて路上に出るという究極の選択を描く素晴らしいドキュメンタリー

ノマド 漂流する高齢労働者たち 作者:ジェシカ ブルーダー 春秋社 Amazon アカデミー賞を受賞した「ノマドランド」の原作。心を揺さぶられた三つのポイント。 ①合衆国における「ノマド」という存在に驚いた。 USAでは、「かつての中流階級が不可能な選択を迫…

『さくらえび』さくらももこ

さくらえび (新潮文庫) 作者:さくら ももこ 新潮社 Amazon ぜったいに退屈しない、ぜったいにほっこりできるエッセイがさくらももこさんのエッセイだ。飛行機に乗る前に買う本がさくらももこさんの本。エコノミークラスで両側に他人が坐っても、さくらさんの…

『おそろし』宮部みゆきの鉄板怪奇譚

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon ただの怪奇譚ではなく、人間の心の深層をのぞかせてくれる物語だ。 ふとしたことから三島屋を訪れる客たちの話を「聴く」という仕事を始めたおちかは、 悲劇に見舞われたのは自…

『「超」勉強力』、けっこう勉強になりました

「超」勉強力 プレジデント社 斉藤孝さん、中野信子さん、山口真由さんの勉強の仕方についての提言。それぞれおもしろく、参考になった。 斎藤孝さん P8 活力ある人間は、ネガティブな状況も刺激にする 「今日からみなさんは人質です」で語られた、辛い出来…

『あやし』漫画と小説両方読んでみた

お江戸ふしぎ噺 あやし (角川ホラー文庫) 作者:皇 なつき KADOKAWA Amazon あやし (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon このごろ私の鉄板宮部みゆき本。まだまだ未読の小説があるうれしさを噛みしめながら、『あやし』を読んだ。 マンガも、おもし…

『昨日がなければ明日もない』(宮部みゆき著)の帯に怒る

昨日がなければ明日もない (文春文庫 み 17-15) 作者:宮部 みゆき 文藝春秋 Amazon 杉村探偵事務所が取り扱った3つの事件の事件簿。 これは一風変わった探偵小説で、探偵は事件を解決しない。かかわっていくけれど謎解きと言うより「解説」みたいだし、よろ…

『ブレイブ・ストーリー』上中下で三日間が祝祭にっ!

ブレイブ・ストーリー 【上中下 合本版】 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「生きにくい気候が、生きにくい社会をこしらえた。」 「非アンカ族を根絶やしにし、この北大陸で覇権を勝ち得たアンカ族。同じ者ばかりが寄り集まって、ではようやく…

『OKUDAIRA BASE』は私のバイブルになりそうです

OKUDAIRA BASE 自分を楽しむ衣食住:25歳、東京、一人暮らし。月15万円で快適に暮らすアイデアとコツ 作者:奥平 眞司 誠文堂新光社 Amazon 手に取るだけで楽しい本でもある。この本も松浦弥太郎さんの本と同じくイモトアヤコさん推薦の本だ。イモトアヤコさ…

『伝わるちから』松浦弥太郎著(小学館文庫)はめっちゃ参考になる

伝わるちから 作者:松浦弥太郎 小学館 Amazon p23 「見つける」こと 筆者が10代の終わりにサンフランシスコのフリーマーケットで出会ったヘンリーは、「誰も見向きもしないようなガラクタに、新しい価値を見出す才能に長けていた」。彼は言った。「僕の仕…

『ふたり』 唐沢寿明(幻冬舎文庫)は読むべき一冊

ふたり 作者:唐沢寿明 幻冬舎 Amazon p84 踏みつけられてつぶされる人間と踏みつけられるほど強くなっていく人間、その違いは何なんだろう。おそらく「自分はダメじゃない」という人としてのプライドではないだろうか。 唐沢寿明はカッコいい。ただ立ってい…

『夏への扉』のピートがめっちゃ可愛い!

夏への扉[新訳版] 作者:ロバート・A・ハインライン 早川書房 Amazon ピートが可愛い。ピートは、家中の扉のどれかが“夏”へ通じていると信じている猫。ジンジャーエールを好み、けんか上等のワイルドな猫でもある。 この扉の話で思い出すのは「ハウルの動く城…

『世界のニュースを日本人は何も知らない』を読んで英語をやろうと決意した(来月から)

世界のニュースを日本人は何も知らない (ワニブックスPLUS新書) 作者:谷本 真由美 ワニブックス Amazon この谷本さんは、千葉敦子さんの匂いがする。なつかしく、過激だが、ジャーナリストとして信頼できる気がする。「何も知らない」というのはちょっと言い…

『俳人風狂列伝』ー俳句にすがって生きる姿に心打たれた

俳人風狂列伝 (中公文庫) 作者:石川 桂郎 中央公論新社 Amazon しかし、いちばん感動したのは、この著者のキャパシティー。なんという心の広い人なのだろう。「人を見る目」が冷徹でありながら寛大で、ありのままの姿をただ観るという姿勢を崩さない。 とき…

『心にエンジンがかかる50の小さな習慣』を読んで、「いちばん楽しむ人になろう」と思った。

心にエンジンがかかる50の小さな習慣 (PHP文庫) 作者:中谷彰宏 PHP研究所 Amazon 「まえがき」が良かった。 アメリカから億万長者が出るのは、アメリカがアイデアの国だからではありません。思いついたことは紙に書く。模型にする。人に言う。発想をすべて実…

『人は誰でも作家になれる』を読んでブログを始めて良かったと思った

人は誰でも作家になれる―最初の一冊が出るまでの101章 (PHP文庫) 作者:中谷 彰宏 PHP研究所 Amazon へたった時、ぬるぬるしてる時、溶けたコールタールの道を歩いているような気分の時、私は中谷さんの本を読む。とても親切で明るい内容の本ばかりで、気分が…

『絶対よくなる!』ー久々のひとりさん本にやっぱりほっこり

絶対、よくなる! [令和パワーアップ版] (PHP文庫) 作者:斎藤 一人 発売日: 2020/12/02 メディア: 文庫 気分が落ちそうなとき、ヘタレになってしまったときは、ひとりさん本が有効だ。 「自己啓発本」を批判する人もいるけれど、気分を上げて何が悪いと思う。…

ももこの世界あっちこっちめぐり  さくらももこ 集英社文庫

ももこの世界あっちこっちめぐり (集英社文庫) 作者:さくら ももこ 発売日: 2021/03/19 メディア: 文庫 non-noの企画で、ももこさんの希望を聞いて計画を立てガイドさんが付いて案内してくれるという羨ましい旅だ。スペイン、イタリア、バリ島、アメリ…

『棚からつぶ貝』 イモトアヤコ          文藝春秋

イモトアヤコさんの人々とのふれあい記。 まずお父さん。穏やかなお父さんが一度だけ彼女を怒鳴った場面にキュンとする。もう少しで夜の海に落ちるところだった小学4年生の彼女へ「何しちょーだ! 落ちたらどげすーて!」と怒鳴ったお父さん。これはお父さ…

『ひとりで生きて行く』ヒロシ               廣済堂出版

ひとりで生きていく 作者:ヒロシ 発売日: 2020/11/04 メディア: Kindle版 もうこれこれ、という。すごく共感した部分とヒントをもらった部分とがあった。 共感したのは、 ひとりで生きる。それは旅をするように日々生きるということ おこがましいかも知れな…

養老孟司の幸福論  中公文庫

養老孟司の幸福論 - まち、ときどき森 (中公文庫) 作者:養老 孟司 発売日: 2015/07/23 メディア: 文庫 この本を読んで取り入れたいと思ったことは2つ。 ひとつは、「田舎に行け。そこで時を過ごせ」。 人は「人事の世界と花鳥風月の世界を行き来しながら生…