久々の美術館。なんと「日時指定制」になっていた。ネットで申し込み、ローチケで購入。煩雑なようだが並ばなくて良いし、あまり混まないし、私にはけっこう快適だった。この制度をずっと継続してほしい。
小早川秋聲は、大正~昭和期の日本画家。今まで知らなかったが、良い絵だった。
「長崎へ航く」
日本へ旅立つ船を見送る女たち。オランダ更紗の衣服に包まれた堂々たるお尻が魅力的だ。いつまでも、いつまでも見送っていたのだろう。
「未来」
まつ毛の長い美しい赤ん坊。布団まわりに置かれた数々のおもちゃに、あふれる愛情を感じる。
「国の楯」「虫の音」
戦意高揚の精神よりも、戦の酷さ、兵士たちへの鎮魂の祈りを感じる。
物を観るということは、対象を愛することなのだと思う。
その他、いくつかあった達磨の絵が良かった。食えないおっさん、という感じ。何度でも起き上がってやりなおそうという気持ちが湧いてくる。実際、そういうエールを込めた作品だと解説板にもあった。
達磨さんは、足が萎えるまで座禅をして、ふっと悟ったときには歩けなくなっていた人だ。今までなんとも思っていなかったが、これらの絵を観て、達磨さんが好きになった。不屈の魂というより、明るい物の見方、飄々とした中にある希望のようなものを感じる。
東京ステーションギャラリー、丸の内北口の改札を出てすぐ左側にある。帰りにエキナカの「きらく」で蕎麦と生ビール。