トマト丸 北へ!

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小林弘幸『自律神経が整えば休まなくても絶好調』 ベスト新書

この本はいい。とても実用的だと思う。

①「休息は『動かないこと』ではない」と著者は言う。「坐り込まずに動いたほうが急速になる」。「休む」ということの内容を考え直したほうがいいという提案だ。

交感神経も副交感神経も共に高く維持されているのがいいのだそうだ。「『休息』は、副交感神経の働きを戻して自律神経の働きを整えること」なのだ。

この下りで、「交感神経も副交感神経も(両方が)低い人は体力がなく、非常に疲れやすい」とあったのを、自分のことだ! と思った。ハイになって機動力が高まることもまれにあるのだが、往々にしてその反動で疲れ切ってしまう。人生のある時期には気力も体力も枯渇してしまっていた。この一年、引っ越して新居に移ってから調子がいいのは、ストレスが少なく、自律神経が平穏であるためだと思う。片付けを終えた後シンクやガステーブルをささっと拭く。これさえ以前は出来なかったのだ。疲れ切っていた。穴の開いた鞴みたいだった。

内心焦りながらダラダラするのではなく、休む時は意識して休むと決めて休む。適度に体を使って神経を休めるなどのテクニックを自分の生活に取り入れようと思う。

夜はテレビの前にへたり込むのではなく、サクサクと片付けを済まし、気分を晴れやかにして早めにベッドに入る。何というか、疲れに体を乗っ取らせないということだと思う。自分で体をコントロールするのだ。

②人間関係のイライラは、受け身の発想から抜け出して手を打つ。

「やらされている」感を一掃して、自分で「自分の時間」を作り出す。ワタクシは本来は24時間すべてを「自分の時間」としてマネジメントすることが可能なのだ。家事はきりなく繁多とも言えるが、「仕事の時間も自分の時間に出来る」とこの本に書かれている通り、家事に追われるのではなく自分で意識して集中的に取り組むことが可能だ。イライラするのは、すべてが後手後手に廻っているからかも。

「ただでさえもったいない時間を不快な感情で塗り固めては自分が損だ」とあるのは、ほんとうにそのとおりだ。「割り切って気持ちよく接待する」。私の場合接待ではないが、人間関係全般、そのつもりでこなしていくほうがいい。いちいちぎくしゃくしていては、ほんとに「自分が損」なのだ。

③明日の仕事の準備をしておく。

「自分のやるべきことが見えていると、充足感が違う」

自分のスタンス、方向性がはっきりしていれば、気分よく一日を始めることができる。

①とも関連するが、「不快なオーラをふりまく人にケチをつけられても、『自分には大事な仕事が待っている。こんな人を相手にしている場合じゃないとスルーできる」。これがいちばんだと思う。他人の不快なオーラを自己責任のように思って他人をなんとかしようとジタバタしていた。そういう人が生存していて接近してくることがあるのはワタクシのせいじゃないのに、いちいちまともに取り合っていたのだ。

その他、「一日30分の片付け」「つるまない」「昼休みは本を持ってカフェや公園に行く」「早々に諦める」など、役立ちそうなヒントが満載だ。

 まとめきれなかったが、この本は繰り返し読む本だと思っている。