トマト丸 北へ!

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『わが母なるロージー』でカミーユ・ヴェルーヴェンとの再会がうれしい

『その女アレックス』のカミーユ・ヴェルーヴェン警部が連続爆破事件を捜査する。

一回目の爆破後すぐに自首してきたジャン・ガルニエとカミーユのやり取り、犯人の前

代未聞の要求、周到に用意されたクライマックス。すべてが上質なミステリーだ。

前作に続き、カミーユの人物像が魅力的だ。145センチしかない極端な小男だ。画家だった母親譲りの画才、権威を恐れない自由な魂、キレる頭脳。そして彼は善き人だ。私にとってはこれが一番だいじだ。善き人とは、生命力を愛すると言うことだ。シニカルではあるが人情もある。

それが表れているのが、彼の深い洞察力、うぬぼれも利己心も極端に少ない客観的な物の見方だ。彼は自己を突き放して見ることができるし、犯人の人間性も深く理解する。

そういう男だから、上等な女性にもてるし、ルイや他の部下たちに敬愛されるのだ。

こち亀の中川のようにカッコいいルイも素敵だ。金持ちで頭が良く有能で性格もルックスもいいという。

電話の会話だけの登場のアンヌもいい。ツンデレ猫のドゥドゥーシュも元気だ。

ヴェルーヴェン警部?