キンドルで読みました。
筆者のモットーは、楽しい毎日より嫌なことがない毎日。
生き方は「嫌な仕事を避ける」。
これを突き詰めて行って成功した話。
頭の良いひとなんだなと思う。学校の勉強はあまりできなかったとのことだが、点数を取ることに興味がなかったのかなと思う。
これからは世間にハマろうとする努力より自分を大切にする人生の方が実り多いのかもしれない。
仕事のこと、恋愛、いろいろひどい目にも遭っているけれど、自分を否定しない。これが筆者の優れたところだ。
私は自分を否定することで他人に迎合してきた。もうぜんぜん間違ってた。
「嫌なことをしているとメンタルが低下して、誤った判断をするようになってしまう」
まさに、そのとおり。自分に嫌な思いをさせちゃいけない。
筆者の弱点は「弱さをアピールされると対抗できず、言いなりになってしまう」ところだ。そこにつけ込まれて厚かましい人たちに利用され、その上人格を否定される。ひどい扱いを受け続け、「学習性無力感」(自分が無力なことを学習して逆らわなくなってしまう)の虜になってしまった。
この「学習性無力感」は私のキーワードでもあった。何をやってもだめだと思い、どうせ自分には楽しいことなどないと思い、何か発言してもどうせ他人にアピールすることなど無理だと思うようになる。反対されることが怖くて意見が言えないだけでなく、感情を露わにすることも控えてしまう。思えばやるべきと承知していることに手をつけることができず、ひどい扱いを受けても反論できず、無気力になっていたのはこれが原因かな。
筆者はネットで自分に似た症例を読むことによってこれではいけないと気付き、ある日いつものように待ちぼうけを食わされていた場所から立ち去ることができた。その相手は、彼のお金を使い、利用し、待ち合わせには常に遅れてくるか、ドタキャンするというやつ。筆者は「心臓が弱い」という理由でその女性に尽くさなければならないと思い込んでいたのだ。
ここのところを読んで、涙ぐんでしまった。ただ黙って立ち去る。それまではできなかったのだ。
筆者は「一人のほうがうまくいく」と悟る。
「向いていないことはしない」「うまくできないことは向いていないこと」
そうなんだよね。他人と争って自分の席を確保するというのが苦手な人がいる。近しい間柄であればあるほど、相手が譲れば自分が楽になるという関係になってしまう。自分が譲ると決めても長い間には無理が出てくる。その調整がむつかしい。日常的に争うことそのものが苦痛なのだ。
この人のお金に対する考え方にも共感した。
「お金があると平穏無事」「(お金があると)自分の住みやすい階層の場所に住める」
身もふたもないけれど、お金が身を守ってくれるというところはある。
嫌な人間に影響されることなく生きられるということだと思う。
この「嫌な人間の習性」に関する記述にも大いに共感した。
筆者の具体的な経験(職業遍歴、人間遍歴)を述べた章もおもしろくもあり、心打たれるものでもあった。
内向的な性格に悩んでいる人や克服した経験のある人は、ほんとに読むといい本だ。
私がこの三冊から学んだことは
①自分を否定しない
②ワルクチを言わない
この二点だ。