トマト丸 北へ!

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志鳥栄八郎の『私のレコード・ライブラリー』を読む 6.ドリーブ バレエ音楽「コッペリア」

初演は1870年5月25日、パリのオペラ座

実はオペラ座で歌劇を観たことがある。演目など何も覚えていないが、すばらしい劇場だったことと、幕間に飲み物でもとのぞいたバーのような場所のきらびやかさが印象に残った。

劇だけでなくそこに見に来ていた人々がハイソでおしゃれで、圧倒された。

もちろん私も旅行に持って行った中でいちばんのおしゃれ着を着こんでいたけれど、とてもその人たちの中に混ざれる感じがしなかった。「文化の違い」を感じた。日本で歌舞伎を観に行っても、着物姿のおしゃれな人たちばかりではない。そんなに引け目を感じはしない。(地味な人たちもいたのかもしれないが、目に入らなかった。)

これって以前にも書いたかもしれない。数少ないヨーロッパの旅の思い出なので何度でも書いてしまう。年のせいもある。

でも、いつかオペラ座でもう一度歌劇が見たい。もちろん着飾って。日本人だったらやっぱり着物しかないだろう。

「皆が見る私の和服パリ薄暑  星野立子」 という風に。

この「コッペリア」は、「バレエ音楽をバレエの伴奏から、それだけでも楽しめる芸術的価値を持ったものにまで高めた」作品だとある。

天才人形師の作った人形(今で言えばアンドロイド?)に心を奪われてしまう青年の話だ。

優雅な滑り出し、軽快な展開、なんだか踊れそうな気分になってしまう。