トマト丸 北へ!

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東京オリンピック2020開会式の感想

新型コロナ感染症の世界的流行とその状況下でのオリンピック開催という歴史的なトピックの、自分も一人の証人だということで、感想を書き留めておこうと思う。

まず観るつもりはなかったのに連れ合いがテレビをつけていたので所どころではあるがリアルタイムでテレビを見た。感想は、6つ。

①なんとなくしょぼい。直前までガタガタしたからしようがないのかも知れないが、去年からずっと時間があったはずなのにどうなっているのかなと思った。もしかしてお金の使い方に不透明な部分があるのかもしれないと邪推したくなった。

野村萬斎さんメインの演出が観たかった。一年延期になって規模が縮小されたからと言ってメインの立場を引かれる理由にはならないと思うのだけれど。一年前に適切でない提案をしたというだけの理由で首になった人もいた。誰がチクったのか知らないけれど、いろんなアイデアを出して、これはやっぱりまずいということで引っ込めた案なのに。なんかいろいろ内輪揉めがあるのかなと想像してしまう。

②それでも、世界の200カ国以上がオリンピックスタジアムに集まったことには感動した。すごいことだと思う。商業主義という側面も大きいのかもしれないけれど、でも、オリンピック以外にこんなに世界の国が一堂に会する機会があるだろうかと思うと貴重に感じる。

③ミーシャさんの君が代が素晴らしかった。こんな透明感と力強さのある君が代は初めて聴いたような気がする。

④大坂ナオミさんが美しかった。愛らしく、美しい。精神の輝きが聖火台をいっそう光輝あるものにしていた。

聖火ランナーを務められた長嶋さんを待っていた医師と看護士の方たちが素晴らしかった。病気の後遺症でなかなか歩けない長嶋さんを松井さんが支え、ゆっくりゆっくりと進んでおられた。私だったら自分のほうから近づいて行ってしまっただろう。でも次の聖火ランナーのお二人はじっと待っておられた。相手を尊重する態度に敬意を感じた。どうしたんだよと言う風に見ておられた王さんのお気持ちも伝わってきた。同じ栄光の軌跡をたどったチームメイトに対するなんとも言えない気持ちがあったと思う。最後に無事に聖火をつないだときの長嶋さんの笑顔が素晴らしかった。この明るさが野球ファンを喜ばせ、夢中にさせてきたのだと思った。

⑥しかしオリンピックの開催日時は最悪のタイミングだと思う。どうしてもう三カ月、少なくも二カ月待てなかったのだろうか。その理由の説明もなかった。

二か月後なら、観客も入るし、選手との交流も出来るし、もっと明るい気持であまり不安もなしに応援できたのだ。飲食関係の方々もうるおっただろう。ほんとうに残念な気がする。