トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

自家焙煎珈琲みじんこー至福のカフェラテ

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テイクアウトだったので写真が撮れず、レシートの写真を。

御茶ノ水駅から湯島天神のほうへ歩き、清水坂下交差点をそのまま直進、坂を上って行くとセブンイレブンの先の左側に。テイクアウトの人は店内に入らなくても店頭で注文できるようになっている。犬連れにとっては助かる。チリンとチャイムを鳴らすと、すぐにお店の人が出てきてくれた。

サンドイッチもおいしかった(ジェノベーゼソースがさわやか)が、カフェラテのクオリティが高い。深い味わい、やや強めの苦み。酸味は抑えられており、ミルクによく合う。冷たいのを頼んだのだが、ゆっくりと飲んでも水っぽくならない濃さとこくがある。最後の一滴までおいしかった。

アデライン100年目の恋ーハリソン・フォードに胸キュン 

2015年 アメリカ映画   監督 リー・トランド・ケリー 恋愛ファンタジー

事故で夫を亡くしたアデラインは、娘の待つ家へと急ぐ途中悪天候のため車ごと川へ落ちる。冷たい水の中で仮死状態になり、さらに落雷に見舞われた彼女は老いない体になった。久しぶりに会った知人は彼女の変わらない「若さ」に驚く。始めのうちは化粧品などのせいにしていたが、しだいにごまかしきれなくなる。実験動物扱いしようとする政府と世間の不審の目から逃れるため、一人娘とも離れ、10年ごとに住まいも名前も変えて別人になって暮らすアデライン。恋も結婚も諦め、一頭のキャバリアと盲目のピアニストだけが友人だ。しかし犬は、当然だが短いスパンで死んでしまう。同じ種類の犬を飼い続けるが、悲しみは深い。病気のため安楽死させた犬との別れが切ない。

そんなとき、エリス・ジョーンズという青年と知り合う。エリスはジェニー・ラーソンと名乗って博物館に勤めているアデラインに強く惹かれ、自分の父母の結婚40周年のパーティーへ彼女を誘う。勇気を振り絞ってエリスの愛を受け入れたアデラインだったが、訪れたエリスの実家の父ウィリアムは、彼女の昔の恋人だった。何十年もの歳月を経ていながら昔のままの姿かたちで再び目の前に現れた彼女を見て驚き、ショックを隠せないウィリアム。ほんとうなら107歳になっているはずなのだ。アデラインのジェニーは自分はアデラインの娘だとごまかすが、彼女自身もよみがえる思い出に動揺してしまい、一度は受け入れようとしたエリスを捨てて逃げ出すのだった。

このアデラインが木下優樹菜にそっくりなのである。ユッキーナは美人なんだなとあらためて認識。ユッキーナのイメージはロマンスのヒロインには向かないけれど。

しかしそんなことより、エリスの父ウィリアムは、なんとなんとハリソン・フォードなんである。始めは「ハリソン・フォードの無駄遣い」ではないかとさえ思ったが、これが実に素敵なのだ。若いころの彼も素敵だけれど、ロマンスグレーの彼はもっともっと素敵だ。私がアデラインだったら、エリスなどほっておいて、とりあえず後先考えずにウィリアムの胸に飛び込む。年月を重ねた男の魅力にキュンキュンしてしまった。

娘だと名乗っても、あまりにも母親にそっくり(本人なのだから当たり前)なのでウィリアムは心をかき乱される。その様子を見、過去のこととは言え自分の知らない恋人がいたことに妻のキャシーは苦しみ、怒る。みんなのいる居間から出ていくキャシー。後を追ったウィリアムは言葉を尽くして妻を安心させようとする。この場面が超すてき。

東出さんにこの誠意とやさしさがあったなら、離婚にはならなかったのではないかと思うくらいだ。

もしかしたらウィリアムはキャシーよりアデラインのほうがより好きだったかも知れない。彗星にこっそりアデラインの愛称「デラ」という名前をつけてたりするのだ。しかしウィリアムは、過去の思い出で妻を悲しませることを避けようと全力を尽くす。妻との40年間、二人で築いた家庭がいちばん大事だと、優先順位をはっきりさせたのだ。

「私は二番目の選択だったの?」となじる妻に「セカンドチョイス? 何を言うんだ。こんなこと、大したことじゃない」とウィリアムは言い切る。「妬いてるのか」とやさしく言うときの微笑みが胸に沁みる。妻は甘えるように「そうなの」と認める。まだ心の解けないキャシーを「おいで」と引き寄せて抱きしめる。「愛している」

この「おいで」が良いんだよなー!

インディージョーンズ「失われたアーク」で最後にマリオンに腕を差し出したシーンに次いで、私の「ハリソン・フォード胸キュンシーン」の第二位にランクインだ。

アデラインとエリスの恋がどうなったかはネタバレになってしまうので秘密にしておくが、ハリソン・フォードが出ているというだけで観る価値のある映画だと言えるだろう。

 

アデライン、100年目の恋 [DVD]

アデライン、100年目の恋 [DVD]

  • 発売日: 2016/03/02
  • メディア: DVD
 

 

 

 

 

 

 

ももこの世界あっちこっちめぐり  さくらももこ 集英社文庫

 

ももこの世界あっちこっちめぐり (集英社文庫)
 

non-noの企画で、ももこさんの希望を聞いて計画を立てガイドさんが付いて案内してくれるという羨ましい旅だ。スペイン、イタリア、バリ島、アメリカ西海岸、フランスはパリ、オランダ、ハワイ。

スペインはのっけから行ったことのある場所で、ももこさんも同じ場所に! と思うとなにかうれしい。

一番面白かったのはピエール・ラニエの時計を求めてパリを歩いた話で、やはり目的があると旅は盛り上がるのだと思った。あるだけみんな買うという大人買いも、ももこさんならではだ。

うみのさかなさんとも、このころは仲が良かったんだなと思う。

行ってみたいのはUSA。いろいろ批判はあるが昭和の人間はやはりアメリカへのあこがれを持っているのだ。ももこさんも、アメリカのいい所を書いているのでほっとした。問題点や暗部をも含めて、私にとってはやはり魅力のある国だ。 

この本は旅行記というよりエッセイであり、何を書いてもお茶の間の雰囲気が漂うのが、ももこさんの本の良い所だ。どれも上質の読み物で、当たり外れがない。

ハイドロキノンを使い始めた

薬局のウィンドウの中のロゴがぱっと目に入って、すぐ店に入り、入手。ずっとハイドロキノンを試してみたいと思っていたが、売っている店が見つからず。ネットで買えるのはわかっていたけれど、なんとなく気が進まなかったのだ。

2種類買って、3300円と1738円、計5038円支払った。

使用上の注意は、塗った後紫外線を浴びるとよくないので、夜洗顔後に塗布すること。

さっそく始めた。うまくシミが消えたら、報告します。

おまけ; 使用前の証拠を撮っておこうとスマホで自撮りしたら、あまりにもひどい顔だった。安達ケ原の鬼婆のよう。きりょうを売りにしたことは人生一度もないが、それにしても、これが私? こんな顔で堂々と外を歩いていたのかと思うと胸がつぶれるほど。年を取るって残酷だと思った。

 これでは精神衛生上良くないので、さっそくスマホにスノウを入れて、思い切り盛った写真を撮って保存。皺もなく目もぱっちりとまでは行かないが、目だと分かる。この顔を目指してがんばろうと思う。しかし首の皺までは加工してないので、違和感がある。年を取るって、こういうことなのね。

自分だけの山を見つける

ジョン・キム著の『媚びない人生』(PHP文庫)を読んでいる。まだ読み途中なのだが、「自分だけの山を見つける」というページから色々なことを考えた。

「過去にみんなで競う高い山登りに成功体験」があるエリートは、ある意味不幸だと著者は言う。社会に出たら「人生における山をいかに自分で見つけられるか、というところから勝負は始まると私は考えている。」「誰も登ったことのない山を見つけ、登ることこそが今は求められているし、挑戦しがいのある山なのだ。」

ほんとにそうだと思う。しかし今の日本の現状は逆で、東大出の人や東大生がエリートとしてもてはやされる気がする。自分の学歴や職業ならまだしも夫や子供のそれでマウンティングしようとする人さえいる。この日本に山は数個しかなくて、そこに登る競争に敗れたら「負け組」だと決めつける。

ほんとに嫌だ。それがほんとうなら、エリートだけが幸せになれるということになってしまう。「小学4年で人生が決まる」というような題名の本があったけれど、そういう固定した格差社会ではみんなが楽しく生きることなんかできない。大人になれば諦める習慣に慣れても、十代で負け組と決まってしまっては、なお真面目に生きる気などしないのではないか。社会不安を煽るような考え方だと思う。

この本の著者の志ある提言とはだいぶずれてしまったが、私はほとんどの人が幸せでありうる世界であってほしい。まず自分が幸せでいたい。エリートだったりエリートの夫を持たなければ不幸、東大など有名大学へ子供を入れなければ子育ては失敗、美人でなければ価値が低い、若くなければ女じゃない、など私を不幸にするような考えはすべて却下である。

諦めではなくて、人に決められた山を無理くり登らされたあげく、遅いとか落伍者だとレッテルを貼られるなどごめんだと思うのだ。

正直、いまだ「自分の山」を見つけていない。タイムリミットかも知れない。見つけたとしても登る体力が残っているかどうか。

それなら他人の山をいたずらに見上げるより、のんびりと自分の道を楽しんで歩きたい。山なんか登らなくてもいいし。

と、今日はこんなことを考えた。でもこの『媚びない人生』という本は面白そうなので最後まで読むつもりだ。

 

媚びない人生

媚びない人生

 

 

新型コロナのワクチンを予約した

予め郵送されている接種券を手元に置き、予約開始時間の8時半を今や遅しと待つ。既往症のある連れ合いのために出来るだけ早く予約を取りたい。

私の住んでいる地方の予約の方法は、電話、ライン、ネットの3つ。電話はテレビなどを見ても中々つながらないと予想されるし、ラインはどうも自信が無いのでネットで予約することにする。ネット予約にも不安があるので予め様子を知りたいとアクセスを試みてみたが、当日の開始時間までアクセスは出来ないとのこと。

当日8時半ちょうどにアクセスしたが、案の定、私はもたついてしまった。

接種券を手元に置いて番号などがすぐ分かるようにしておいたのは正解だったが、それ以外は間違いだらけだった。

まず了承事項に了解のチェックを入れるのが出来ない。条項の下までスクロールしてもチェックのボタンが見当たらないので慌てた。始めにクリックする場所に□のボタンがあってそれにチェックを入れれば良かったのだが、慌てているので気づかなかった。こんなところでつまづくなんて自分でも信じられないが、これで5分くらい経ってしまったみたいだ。

次に、予約するには2つの入口があり、接種会場から決めるか、接種日時から決めるか、2つの入り方がある。どちらにすれば良いのか迷ったあげく、つれあいが「なるべく歩いて行ける大きな会場」を希望したので接種会場から入った。またしても無駄な5,6分が経過する。

結果的にこれは失敗だった。希望する接種会場をクリックしても早い日時はもう埋まっていたのだ。そこで別の会場を見てみるとそこも5月中はいっぱいだ。希望会場を変更するには最初からやり直さなければならないから、さらにもたつく。やっぱり日時から入ろうとやり直したが、その間にもどんどん枠が埋まっていくので焦る気持ちが湧いてくる。

日時から入れば良かった。カレンダーが表示されるので、いちばん早い「空きが残っている日」をクリックして、次にその日開いている接種医療機関を表示させ、その中から家にいちばん近い接種場所を選んで予約すれば良かったのだ。しかしその手順でやっても、接種場所を選んで「予約」とクリックしている間に「埋まりました」となってしまう。2,3回やり直した。

所要時間3分と書かれていたが、とてもとてもであった。15分くらいかかったかも。早い日時は取れなかった。

でも、他の人に聞いてみるとネット予約は手に負えなかったので息子に頼んだと言ったりしていたので、まあ予約できただけ良かったかも知れない。やる前から楽観はしていなかったし、善戦したと思う。むしろ達成感があると言ってもいいかも。

ちなみに、私がつれあいの予約を取ろうと奮戦している間につれあいが私の予約を取ってくれるかもと期待していたが、それはなかった。

ヒューゴの不思議な発明

 

ヒューゴの不思議な発明 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: Blu-ray
 

 映画は雪が降りしきる1930年代のパリの俯瞰から始まる。カメラは上空の映像からだんだんと降りて行き、やがてモンパルナスの駅へ。駅舎の中を滑るように進み大時計へとたどり着く。大時計の文字盤4の後ろに見える少年、それがヒューゴ・カブレだ。

ヒューゴは孤児だ。博物館に勤める優しい父親が火事により不慮の死を遂げた後、駅で時計のメンテナンスをしている飲んだくれの伯父に引き取られるが、その伯父も行方不明になってしまった。ヒューゴは伯父の代わりに時計のメンテをしながら駅の屋根裏に住み続ける。そこには時計の機械や駅を動かしている動力機関、そして父の形見とも言うべき精巧な機械人形があった。

機械人形は、壊れて博物館の片隅に放置されていたのをヒューゴの父が修理していたものだ。ヒューゴはその人形が再び動くのを楽しみにしていた。

孤児のヒューゴが駅に住んでいることは誰も知らない。器用なヒューゴが時計をきちんと動かしているので、伯父が働き続けていると思われているのだ。食べていくためにはかっぱらいのようなことをするしかなかったし、服は汚れて小さくなりすぎている。しかし父の愛を享けて育ったヒューゴは誇りを失わず、機械人形を動かすことを夢見て必死に生きている。

ヒューゴの敵鉄道公安官、花売りやカフェの女主人など駅で働く人々がヒューゴのまなざしで描き出される。その中におもちゃ屋の主人とその養女のイザベルがいた。おもちゃ屋の主人がヒューゴの大切な手帳を取り上げたところから物語が動き始める。機械人形の謎と人形を動かすための鍵をヒューゴは見つけることができるのだろうか。

機械人形の謎と共に創成期の映画の歴史が語られるのも、とても興味深い。最初のころの映画「汽車が駅に到着するところ」の映像やそれを観て驚く観客たちには笑ってしまった。

ヒューゴの困難に満ちた生活にハラハラする。イザベルの美しさと明るさに魅了される。そして機械人形の不思議さ、精巧さ。登場人物たちへの優しいまなざし。あふれる映画への愛情。冒頭から始まる映像の美しさ。とても魅力的な映画だ。

ただ、邦題の「ヒューゴの不思議な発明」は、ちょっと変。機械人形はヒューゴが発明したものではないし、彼が作ったわけでもない。(原題「HUGO])

監督 マーティン・スコセッシ

ヒューゴ エイサ・バターフィールド

イザベル クロエ・グレース・モレッツ