トマト丸 北へ!

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『災厄の町』エラリー・クィーン著 やっぱりエラリー・クィーンは私には合わないと思った。

 

途中まではほんとに面白く読んでいたのだが、とうとう嫌になり、後は結末を知るためだけにせっせと読んだ。

エラリー・クィーンが私に合わない理由が分かった。

登場するメインの女性が嫌い。感情移入はまったくできない。

彼らは女性の描き方が下手なのではないだろうか。と言うか、女性を人間として見ていないんじゃないの

事件の中心人物のノラ・ライト。結婚しようとする相手が「自分の力で生きていきたい、ノラの両親の援助はなるべく受けたくない」と言うなら、そうすればいいのではないか。ジムを愛しているなら、そのくらい決断したらどうか。

ノラは感情的で繊細ぶってる私のいちばん嫌いなタイプ。繊細なのとわがままとは違うでしょ。

ライト家の三女パトリシアはノラよりましだが、やたらにエラリー・クィーンにしなだれかかるところが嫌だ。婚約者がいるのに! 寝室に入れたりして、誘惑しているとしか思えない。

ジムやブラッドフォード(エラリー・クィーンも!)がこの姉妹に首ったけなのは、美人だからなのだろうと思う。その他に魅力は感じられない。美人は正しいのだ! と諸星あたるのようなことを主張されたら一言も無いが、納得はできない。

ライト夫人と気が合わない長女のローラやローズマリイという女性はおもしろそうなのに脇役でしかないのが残念だ。ローズマリイは悪女のステレオタイプで、女性の描き方が下手だと思わせるゆえんでもある。でも、この悪女ぶりはいい。

エラリー・クィーンも、パトリシアといちゃいちゃしている間に事件の真相にもっと早く迫れたのではないか。

その他いろいろ納得できないところが多かった。