まさかまさか第三シリーズの冒頭でリチャード警部補が殺されるなんて。
昨日は気分駄々下りだった。
カリブ海のセントマリー島(旧イギリス領)にロンドンから赴任したリチャード警部補は卓越した推理力で次々と殺人事件を解決する。最後に関係者全員を一堂に集めて謎解きをするパターンがとても心地よい。一話完結っていい。
フランス、イギリスと次々統治が替わったため島民の多くはフランス語を話すなど複雑な来歴の島だが、その事情もさらっと描かれる。イギリス風の呼び方で地名を言うリチャードに反発するカミーユもすてきだ。
不器用で生真面目、融通の利かないリチャードは過去に職場でいじめられたり、苦しんだこともあり家族とも堅苦しい関係。自分の殻に閉じこもるタイプだ。その彼が島の警察署の部下であるカミーユ、フィデル、ドゥエインとの関りを通じてしだいに心を開き、彼らを「家族」とさえ感じるようになる。始めは恐れていた宿舎の居候、トカゲにも名前をつけ、餌をやったりするようになるのだ。
優れたドラマの定石で、主人公とその周辺人物がみな魅力的で毎日少しずつ視聴するのがめっちゃ楽しみだった。私にとってもリチャードとその仲間は家族のような存在になりつつあったのに。
諸行無常とは言え、あまりに唐突、あまりに突然、あまりに酷い死だった。
冒頭での事件に驚き、でも始めのうちは最後にどんでん返しがあり実はリチャードは生きていると判明するものと信じていた。しかししだいになんか変だぞと。禁忌を冒して終わりごろをクリックしてみる。ほんとに死んでたのだ!
これって、なんの必然性もないし。
調べてみるとどうもリチャード役の俳優の希望だったらしい。イギリスに家族を残して長期間撮影に臨まなければならないことが苦痛だったと言う。そうか。
しかしそれは個人の生き方だから否定できないし、むしろ「リチャード」らしいと言えるかもしれないが、あの終わり方はリチャードに袖にされた番組側の悪意の表れかも。
リチャードの後任の人も良さげではあるが、当分続きを視聴する気にはなれないだろう。
「HAWAIIーfiveO」といい「SWAT」と言い、私の入れ込んでる人から辞めていく。[SEX&the CITY」もそうだった。
ダースで買って愛飲していた「ジョージア 猿田彦コーヒーベース」もいつの間にか店頭から消えている。
この落胆、この苦しさ。愛別離苦が人生なのか。
執着を手放さなければ!