トマト丸 北へ!

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私はJKI(じいさん・ばあさん活性化委員長)その② じいさんが入院した!

『私はJKI』その①でJKI(じいさん・ばあさん活性化委員会委員長)に就任した私は、学生時代になりたくてなれなかった「委員長」に勝手になって充実した日々を過ごしていたが、じいさんが入院して日常生活が崩壊した。

どうしても補正、変更が必要だと思い、少し方向転換を試みることにした。

「勝手にボーナス」は「何をしたらいくら」とか「せからしか!」となってすぐにやめてしまった。だいたい財布は一つなのだ。

だが、⑴同情しない ⑵自分ファースト ⑶争わない の三つのモットーは継続している。

⑵の「自分ファースト」を強化する必要があった。

じいさんのめんどうは全面的に病院が見てくれるからそこは楽なのだが、自分には一つ決めたことがあった。それは、毎日見舞に行くということだ。

じいさんは高齢かつ病弱であちこち悪いところがある。疾病のデパートみたいなことになっているのだ。だから、手術など積極的な治療が難しい。それもあって今できることは免疫力を上げることだと考えた。私にできるのは精神的なサポートと汚れものの洗濯くらいなのだ。

毎日見舞に行くのはそれなりに大変だ。午後がつぶれる。また、じいさんという人は、向き合った相手が元気が出るタイプではない。むしろ人を落ち込ませる人柄。それが病厚くなって入院しているのである。わがままな男が四人部屋に入れられ、歩行もままならない。当たり散らす元気もないのだ。下手をするとじいさんを元気づけるどころかこっちが沈み込みそうである。

だからこその「自分ファースト」。分けてあげられるくらいのハッピイと陽気さを調達しようと思った。

〇毎日ひとつお楽しみを朝考えて必ず実行する。スタバにコーヒーを飲みに行くのでもいいし、映画も観よう。やってみたかった「ひとり焼き肉」も。蕎麦屋も。

〇わるじい夜飲み 風野真知雄という作家の『わるじい秘剣帖』がすこぶる面白いのである。これを読みながらお湯割りを飲む。「お楽しみ」がだめになってもこれがあれば大丈夫なくらいだ。

〇朝食はジェーン、リスボンたちとご一緒する。言わずと知れた「メンタリスト」。実は一度最終回まで見終わっているのだが、二巡目行ってる。途中まで見て、解決は夜寝る前に観る。(二巡目だがもう細かい筋を忘れてしまっている)

⑶の争わない、は簡単で、モットーにするまでもないことになった。病人と争う人間はいない。

⑴の「同情しない」は、少しテクニックが必要。湿っぽくなってはだめだが、「聴く」「わかるよと言う」を努めつつ、心の中は動じないことがだいじなのだ。一緒になって落ち込んではダメである。「同情しているように見せつつ暗さに引き込まれない」ことがだいじだ。

いろいろ試して、「あたたかさ」を看護師さんの二割増しくらい盛り込むこむのがいいのではないかと思うようになった。見ていると看護師さんたちの応対は素晴らしいが、彼らはプロだし仕事としてやってる。学ぶところは多いが、出来たとしても同じ温度でやると相手には冷たく感じられるかもしれない。

こうやって、とにかく明るく乗り切るつもりだ。

もうひとつ、「苦境を友人に話さない」ことも大切だ。

これは私だけかもしれないが、苦渋を打ち明けて同情されるとテンションがダダ下りする。つい一人に話して優しくされ、心がぐずぐずになってしまった。もし叱咤激励されたとしても、やっぱり元気は出ないと思う。人によるのかもしれないが、私は、辛いときは一人でがんばるタイプなんだなと思った。