トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

『グランメゾン東京』 TBS 日曜21時

脚本 黒岩勉

主演 木村拓哉

 

数年前まで、初夢というと木村拓哉が登場していた。そのくらい好きだった。

デビュー以来ずっと「木村拓哉」であり続けるなんて、ほんとにすごいことだ。

スマップが解散したとき、一部の人が「木村は男を下げた」と言ったが、とんでもない。彼の潔さ、深い人間性、そして多分人には見せようとしない情愛の篤さに、私はしびれた。

彼は一言も言い訳をしなかった。妻である工藤静香がワルクチを言われていても、それに対してすら、沈黙を守った。どれだけ(いい意味で)男らしいんだ!

一世を風靡したあれほどのグループが解散に至ったのだから、それはもういろんなことがあったに決まっている。スマップを牽引してきた彼の思いには我々の想像など及ばないものがあったろう。それでも何も言わない。

この立派さが分からない人がいるなんて、そっちが驚きだ。

これは私の憶測だが、彼には、「仕事で答えを出す」という決意があったのではないか。百の釈明、千の告白より仕事だ、と。

そしてその答えの一つが、この「グランメゾン東京」というドラマだ。

この秋のドラマの中で一番だと思う。

主役の尾花というシェフは、頑固で完璧主義で、我が道を行く男だ。自分勝手で、ぜんぜんいい人じゃない。しかし料理に命を懸けている。

このキャラが木村拓哉にぴったりと、(私にとっては)重なるのだ。

話としても、毎回面白く、引き込まれるが、料理をしている姿のカッコよさと言ったらない。

この番組を観た後は、料理をするのが楽しくなるほどだ。大根を刻むにも気合が入るのである。

そして尾花のフランス料理への情熱!

和食一辺倒の私であったが、第一回の放送後すぐに山奥にある一つ星のフランス料理店へ出かけて行ったほどだ。

他の出演者も、鈴木京香沢村一樹及川光博、等々私の好きな面々ばかり。

尾上菊之助の丹後シェフもこれから目が離せない感じだし、鈴木京香さんは「ひたむきな大人の女」という新しいジャンルに挑んでいて、素敵。彼女のピュアな情熱は、尾花夏樹ですら少しずつ変えて行くのである。

あと、冨永愛さんのリンダ!!!