トマト丸 北へ!

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ターミネーター;ニュー・フェイト

監督 ティム・ミラー

フェイト は (悪い)運命という意味

 

サラ・コナーが救ったはずの世界に、再び未来からターミネーターが送り込まれる。枝分かれした感じで別の未来が出現したようだ。間断ないアクション、描かれている人間性、勇気、世界観など、文句なく楽しめる作品だ。

今回新型のターミネーターREV-9に狙われるのは、メキシコ人女性のダニーだ。

彼女を守るのは、やはり未来から来た強化人間のグレース。

そしてREV-9に追い詰められた二人の前に忽然と現れて救いの手を差し伸べたのが、伝説のサラ・コナーだ。

この三人の女が、強い。

殊に最愛の息子を殺された悲劇を乗り越えて人類存続のために孤独な闘いを続けるサラの筋張った腕は美しい。リンダ・ハミルトンは、スーパーアクティブシニアというにふさわしいカッコよさだ。機関銃を構える姿にしびれる。

グレース(マッケンジー・ディビス)も男前で、短く切った髪(美しい頭の形!)、スレンダーな体、繊細な表情が人を惹きつける。

ダニーが、平凡なちょっとしっかり者の娘から戦う女へと徐々に成長していく姿にも心打たれるものがある。彼女がREV-9に狙われる本当の理由が終わりごろに判明するのだが、それも、いい。

この三人を見ていると、日本のテレビでぶりっ子キャラを演じているタレントたちが、どうしようもなくみっともなく思えてくる。

旧モデルのターミネーターT-800アーノルド・シュワルツェネッガー)は、20年間の隠遁生活の間に自ら学び、プログラミングをし直し、人類の味方となった。彼は自分を頼って来たサラたちを援けてREV-9と戦う。

でも、シュワちゃん! 私はどうしても彼が家政婦と浮気して子供まで出来ていたことが忘れられず、T-800の苦闘する姿が人生に苦悩する姿に見えてしまうのだった。

REV-9はあまりに強く、分身の術も使えるしで気持ち悪いし、この映画の男はどうも冴えない。

フェミニズムの映画と言えるだろう。