トマト丸 北へ!

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ミレニアム6 ダヴィド・ラーゲルクランツ  訳・久山葉子 ハヤカワミステリ文庫

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ミレニアム6

ミレニアムが大好き。リスベットが大好き。一年に一回は全部読み直している。ラーゲルクランツが亡くなったことは、本当に残念だった。でも、続けて書いてくれる人がいて、幸せ。

ただし不満が一つあって、エリカ・ベルジュの影が薄くなっていること。離婚の話が出ているのに詳細も原因も、何ひとつ書かれていない。リスベットに次いで好きなキャラなのに、この扱いはどうなのだろうと思ってしまう。

エリカは美しく、シャープな頭脳を持ち、相手を魅了する人間力と類まれな編集者としての才能を持っている。その自由な精神は性的な部分でも発揮され、夫とミカエルを共に愛し、必要としている。

男みたいと言うわけではない。奔放と言うのともまた違う、エリカの生き方が素敵。さっそうとして潔い。こずるさなどかけらも無い。なかなか描かれることの少ないキャラクターだと思う。

ミカエルとエリカの絆は決して切れない筈なのに。毎回彩りのように現れるミカエルの新しい恋人の存在は、許す。でもリスベットとエリカは別格でなくては困る。

推理小説の詳細は書くべきではないと思うので、感想はこれだけ。

「ついに完結」とあるので、もうおしまいなのだろうか。本当に残念だ。