トマト丸 北へ!

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『高慢と偏見』ななめ読み

高慢と偏見ジェーン・オースティン 岩波文庫

ベネット家の母の人生の目標は5人の娘たちにいい結婚をさせること。

この小説の中で3人が結婚。一人はベネット氏の好意は得ているがやや難ありのとても人間らしい男。5人の娘たちの中で最も美しい長女ジェーンと最も魅力ある次女のエリザベスはそれぞれ裕福な夫を得る。ことに次女のエリザベスの夫ダーシーは、超ハンサムな上に金持ちという。

一見人付き合いの悪い高慢なダーシーが実は中身のある男であり、エリザベスはすごい美人ではないが彼の心に刺さる女。彼女にだけは「弱い」ダーシー。

なんか、少女漫画みたいな印象を受けてじっくりと読む気になれなかった。

「資産家であること」が理想の男の第一の条件というのは、現在もそうなのかもしれない。性格や容姿があまりひどくなければ、資産家であることは他の条件の悪さを十分補うと考えられる。男の方は「美人」を嫁にすることがステイタスだと考える。「美人さん」ということばで敬意を払われる。

ベネット夫人の人生の目的は娘たちに幸せな結婚をさせることだ。その第一条件が裕福であることのようだ。悪いことではないけれど。

男は金持ち(でハンサム)、女は美人。こういう話に私はどうも興味が持てないのだ。それほど美人ではないが性格的に魅力ある女性に王子様のような男が惚れてゴールインしてハッピーエンドって話にも。

「家庭小説」ということになるのだろうが、人物描写の巧みさはさすがだが、あんまり興味が持てなかった。

映画にしたらおもしろいのではないかと思って検索してみたら、1935年と1965年にちゃんと映画になっていた。映画を観てからまた感想を書こうと思う。