トマト丸 北へ!

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グランメゾン東京 第六話 11月24日放送

鴨のロースト 水晶文旦のソース

先週のグランメゾン東京

「一流のシェフはね、レシピが外へ出ることを気にしないんだ」という京野の台詞が素敵だった。

料理に限らず色々な分野で「アイデアを盗まれた」ということがあるが、実際にはアイデアだけでは何も出来ない。頭の中のイメージを具体的に実現するには莫大なエネルギーと工夫と努力が必要だ。

天才と言われる尾花にしても、一つの料理を完成させるためには血の滲むような努力を重ねているのだ。ドラマの中のことではあるが、その迫力は十分に人を感動させる。

「料理をなめんじゃねえぞ」という尾花の言葉がすなおに胸に入ってくる。

この回は最後まで手の内を明かさず引っ張ってくれて、楽しめた。フランス料理を題材にしたドラマにふさわしいしゃれた展開だ。

そして何度も書くようだが、料理のシーンが素晴らしい。木村拓哉を筆頭にして、全員の料理を作る手際、真剣さにリアリティがある。「お客様にお出しする料理には料理人の魂がこもっている」という京野の言葉に納得できる。

仲間を裏切ってレシピを流出させた芹田に尾花は「うちの店で簡単に真似できる料理なんかひとつも無い」と言い切る。くっと、しびれる一言だ。

そして芹田に「お前はどんな料理人になりたいんだ。自分で決めろ」と問いかける。

決意を新たにして賄いを作る芹田。彼の料理に対する思いの強さを知っていたから尾花も許したのだろうが、若者らしい軽さで、「これでいいんかな」とも思うが、そこもなんか、面白いかも。