トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

2020-01-01から1年間の記事一覧

アシガール!!!

原作 森本梢子 脚本 宮村優子 音楽 冬野ユミ 唯之介・速川唯 黒島結菜 羽木九八郎忠清(若君) 伊藤健太郎 羽木成之 松下優也 吉乃 ともさかりえ 松丸阿湖 川栄李奈 速川覚(唯の父・専業主夫) 古舘寛治 速川美香子(唯の母・開業医) 中島ひろ子 速川尊(…

幸せを引き寄せるヒント 「ゆうゆう」五月増刊号

母に送ろうと思って買ったのだが、内容を見て送らないことに決めた。 様々な人たちの記事が掲載されているが、あまりにもポジティブで明るく、これを今母に送っても励まされることはないのではないかと思った。 元気で前に進んでいる人たちは、楽しく読めて…

新型コロナ的戦闘生活

早くコロナ生活が終わって日常を取り戻したいとのみ思っていたが、考え方を変えることにした。 今まで、非常時=非日常という感覚で、気分的にやや浮足立っていたと思う。 しかしこれは長期戦だ。 また、人生そのものでもあると考えるようになった。 理不尽…

ある天文学者の恋文 2016年

監督 ジュゼッペ・トルナトーレ キャスト エドワード・フィーラム ジェレミー・アイアンズ エイミー・ライアン オルガ・キュリレンコ 師弟でもある年の離れた恋人たち。 男は天文学の教授、娘と同じくらいの年の学生のエイミーと密かに付き合っている。 たま…

彼女について よしもとばなな 文春文庫

P188の一節が、何度読んでもぞくっとする。 映画の一シーンのようだ。 ばななさんって、作家なんだなあと今さら思う瞬間。 心に響くのが、 「もっとすごいことを成し遂げなければならないのかと思っていたし、それができないのなら、ずっと頭を低くして毎日…

「言葉にできる」は武器になる 梅田悟司 日経出版

題名の「武器」は、他人をやり込めたり敵を屈服させるためのものではない。他人の心を自然に動かし、自分を強くするためのものだと思う。 説得力のある意見を表明するためには、まず自分の意見を「育てる」ことが必要だと著者は言う。自分の意見がなければ、…

吹上奇譚 第一話 ミミとこだち 吉本ばなな 幻冬舎

眠り病にかかった母を取り戻すために吹上町へ帰ったこだち。双子の姉のミミは、行方不明となったこだちを探して数年ぶりの故郷へ赴いた。 どんなファンタジーも細部には現実感があるが、この小説は細部にこそアブノーマルが宿っている。不思議な小説だ。 「…

英語の他動力 堀江貴文 DHC

以前読んだものの読み返し。 勉強することは我慢することではない。 我慢の時間をワクワクする時間に変える。 そこが工夫だと思う。 その工夫の方法が色々書かれている。堀江さんの本を読むと、この人は基本的に親切な人なんだなと思う。具体的で分かりやす…

エール 四月始まりのNHK朝ドラ

作曲家の古関裕而さんをモデルにしたドラマ。 古関裕而さんは、夏の高校野球「栄冠は君に輝く」や阪神の「六甲おろし」などを作曲した有名な作曲家だそうだ。 久々に朝ドラにはまりそう。 先週は、気弱でいじめられがちな古山裕一少年が小学校の藤堂先生に励…

『内側に耳を澄ます』 銀色夏生 角川文庫

P208 私の神様から与えられた仕事は、「表現すること」だ。 ~その後のことをむずかしく考えず、ただ自分を通過したものを形にする。思ったことを口に出す。感じたことを残す。 自分の印象を言葉に表すこと。生きている限り。 この部分がしっくり来た。 …

ある日の「家ついて行っていいですか」

元その筋の男の人と元エリートの女の人二人の生活。 いろいろあったけれど、お互いに敬意を持ち、大切に思い、助け合って暮らし、小さな部屋に寄り添って眠る。 二年の服役の間に二、三回面会に行ったという妻。インタビュアーは少ないと思ったようだが、そ…

西所沢手打ちそば「久呂無木」

「くろむぎ(黒麦)」とは蕎麦の異名らしい。 いつも行ける場所ではないので、久しぶりに訪れ西所沢の駅を出て右に折れ交差点を渡り左に折れて歩きながら「もしかしたら今日は定休日だったのでは」とどきどきし、暖簾が出ているのが見えるとうれしくてにんま…

「7RULES」 フジテレビ 3月24日火曜日 11時~

今回は富永愛さんの7RULES。 富永愛さん、前から良いと思っていたが、「グランメゾン東京」で惚れ直した。 ほんとにかっこいい。足が長くてスタイルがいいのはもちろんだが、顔もとても好き。可愛さと媚を排除しているところが魅力的だ。 彼女の7ルールは…

『サウスポイント』 よしもとばなな 中公文庫

子どものころ「一度だけ夜逃げ」をしたことのあるテトラは、アナーキーなママとその愛人との不安定な生活から早々に独立してキルト作家として生計を立てるようになる。 夜逃げのときママはテトラに「し残したことはない?」と訊いてくれた。小学生のテトラは…

奈可嶋ランチ(東京駅黒塀横丁)

奈可嶋ランチ 美味しいものを食べると、人生を切り開いて行こうという気分になれる。 鮪は中トロと赤身。フライは海老、鯵、茄子。付け合わせもご飯も味噌汁も漬物も美味。

「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」 ブレイディみかこ 新潮社

「世界一受けたい授業」を見てこの本に興味を持ち、書店で手に取った。「はじめに」を読んで、持ち帰ってじっくり読みたくなり、購入。 「おめえちょっとアンプの音量を落としてくれねえか」 「私の配偶者」のことばが、たぶん元は英語なんだろうが、ベラン…

「すべての始まり」 吉本ばなな 幻冬舎

WEBマガジン「note」の連載が書籍化されたもの。 帯にも書かれている 私が人生の舵を持つ。私から光を発信する。 なるべく人々の心を忙しくして時間を奪って、深く考えないようにというシステムの中で私たちは育てられている。 たったひとつ抵抗する術は…

志らく頑張れ

立川志らくを応援しているのは、談志の思い出のためと、私のポリシーから。 談志が好きだった。志らくはほんとはそう好きでもないけれど、談志を好き、という共通点があると思っている。談志の残り香を微かにでも残存させているのは、弟子の中で彼一人だ。そ…

東京駅黒塀横丁「奈可嶋」

東京駅のこのあたりにはあまり来ないのだが、先日ちょっとしたお祝いの食事に訪れた「奈可嶋」。魚問屋の系列だけあって、いいお刺身、そしてその他の物もみなうまかった。 食べたのは、刺身盛り合わせ、クレソンと海老のサラダ、うにクリームコロッケ、イカ…

『デッドエンドの思い出』 よしもとばなな 文藝春秋

五つのラブストーリー。 「幽霊の家」は、岩倉君とせっちゃんの恋の物語。 岩倉君は「この町ではかなり有名なロールケーキ店の一人息子」であり、せっちゃんは「隣町にあるそこそこ有名な洋食屋の娘。 せっちゃんは、まじめで堅実な生活を送り、後継ぎになる…

東京駅の手打ち蕎麦の店で

東京駅の手打ち蕎麦の店で昼食をとった。 食べログに載っているお店ではあるが、あまりにもすべてが普通だった。 普通に美味しいし、接客も普通だし、店のしつらえも如何にもという感じ。お腹を充たすというだけの場所としてはいいのだと思う。 ただ、何も「…

『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』 KEMIO  kadokawa

気持ちがふさいで来たので、景気づけにまた読んでみた。 たぶん孫くらいの感覚の差があるけれど、なぜかどこか、しっくりくるものがある。 なんというか、言葉の使い方が心地よい。潔さを感じる。 この本、年寄こそ読むべきだと思う。なぜなら、ウチらのほう…

春が来た

びゅんびゅんと春一番が吹き荒れる夕暮れ、ちび丸君と散歩に出たら、なんと公園の桜が満開に。 そして梅園の白梅もすべて花開いて微かに甘い香りを漂わせて。 こんな日にちび丸と歩くのは最高だ。 帰ったら庭のベンチでお茶をしよう。

中井さんの退所会見

ネットの文面で、中井さんのジャニーズ離脱の記者会見の模様を知った。 心を打たれたのは、スマップ解散に至る一連の騒動について、「自分たちが分かっていればいいこと」と言い切っていることだった。 若き成功者である彼が、どれほどの孤独の中にいるか、…

「パラサイト 半地下の家族」 監督 ポン・ジュノ

話題の映画を観た。 半地下に住むキム一家は、四人全員が失業中で、貧困な生活を送っている。 映画はキム一家が住む半地下の住まいから見える景色から始まる。部屋の上方にある窓からは日が差し込み街並みや空も見えるが、酔っ払いが必ず窓の側で嘔吐や小便…

「タブーなき世界 その作り方」 脚本・演出 アサノ倭雅

新宿サンモールスタジオで行われた初日に行ってきた。 ヘレン・ケラーと言えば「奇跡の人」で、「ウォーター!」の場面が有名だが、その後のことはあまり知られていない。私も、反戦運動をしたことくらいしか知らなかった。 この劇は「その先に開かれた世界…

珈琲屋 からす

京成津田沼駅近くの喫茶店。 カフェではない。今では数少なくなった昔ながらの喫茶店である。 看板、ドア―、窓、窓辺の席から見える薔薇の花壇。すべてが落ち着いたレトロな雰囲気を醸し出している。 不定期の営業なので、そして私もそう度々行くわけではな…

『ミレニアム6 死すべき女』上・下 ダヴィド・ラーゲルクランツ ハヤカワ書房

ミレニアム完結編。(でも、ラーゲルクランツのミレニアムはお終いと言っているが、別の作家でまた続編があるという可能性はある) 面白い・面白い・面白い! 複雑で込み入ってて、登場人物が多いけれど、シリーズ物だから基本、頭に入ってるので大丈夫。 リ…

所沢 蕎麦・鰻 「天宏」

先日、所沢の航空公園近くの「天宏」で鰻と蕎麦を食べた。 うまいんだな、これが。 頼んだものは、シーザーサラダ、鰻重の梅、ざるそばの三品。 シーザーサラダはたっぷりのレタスなど新鮮野菜にグレープフルーツの酸味がほどよく、これまたたっぷりのチーズ…

『レイクサイド』 東野圭吾 文春文庫

未読の東野さんの新刊は滅多にないので、ふらりと入った本屋で見つけて即購入。 始めの方は倫理観のない人たちばかりの登場にやや辟易して読み悩むが、ぜったいに面白いはずだからと思ってがんばる。 しかし謎が謎を呼び、嘘だの罠だのが交錯して、いつの間…