トマト丸 北へ!

本と映画、日々の雑感、そしてすべての気の弱い人たちへのエールを

2021-01-01から1年間の記事一覧

『探偵倶楽部』ーー東野圭吾はやっぱり鉄板

探偵倶楽部 (角川文庫) 作者:東野 圭吾 KADOKAWA Amazon ほんとに東野圭吾は鉄板。 まず楽しめる。すごくわかりやすい、状況とか人物像とか、難なく頭に入ってくる。作家なら当たり前と言う人もいるかもしれないが、これがなかなか。わざとなのかと疑うくら…

「駒込カフェ」で真夏の午後をゆったりと

駒込カフェ エルダーフラワーのソーダ水とサンドイッチ このソーダ水がめっちゃ美味しかった! 甘みがほど良い。もうまったく透き通ったおいしさ。 動坂を本郷通のほうへ上って行くと左側にある。ある日のお散歩でぽくぽく歩いてたどり着いた。窓辺のカウン…

アンデルセン公園は超リーズナブルな別世界でした

アンデルセン公園 広々とした芝生あり、子供の広場あり、森の中のようなすてきな散歩道あり。 入ってすぐ蝉の声が聞こえてきた。エントランスの小道を歩きながら、違う世界に入っていくんだと感じる。 その広大さと美しさはやはり、たぶん世界有数のものなの…

『ラクしてうまくいく生き方』ひろゆき著から取り入れたいこと九つ

ラクしてうまくいく生き方 自分を最優先にしながらちゃんと結果を出す100のコツ (きずな出版) 作者:ひろゆき PHP研究所 Amazon ①妥協しちゃいましょう 「なんでもかんでも論破すりゃいいってもんじゃありません」ということ。 相手をやっつけてもその場だけ…

西加奈子『おまじない』の「孫係」はナイスアイディア

おまじない (ちくま文庫) 作者:西 加奈子 筑摩書房 Amazon 8つの短編が収められている。どれも心にかりかりと引っ掛かり、適度な快感のある作品。西加奈子さんの小説って、いい。 たぶん同じ感想を抱く人が多いと思うが、「孫係」がいちばん好き。 すみれの…

『世界でバカにされる日本人』を読んで身につまされた

世界でバカにされる日本人 - 今すぐ知っておきたい本当のこと - (ワニブックスPLUS新書) 作者:谷本 真由美 ワニブックス Amazon 要するにもう日本はすでに先進国でもなければメジャーな国でもないということだ。なんか、句会における自分の立ち位置と似てる…

『あんじゅう』三島屋変調百物語事続の感想②ーおちかはわがまま

おちかはわがままだと思う。 ほんとにいったい何が不足なのか。不幸はあったかも知れないけれど、本人は自分が原因で二人も男が非業の最後を遂げたことに責任を感じているとしても、誰も彼女を責めてはいない。それどころか皆同情し、手厚いもてなしと愛とや…

『あんじゅう』三島屋変調百物語事続を読んで

あんじゅう 三島屋変調百物語事続 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「藪から千本」に出てくる「本家の姑」が嫌。何がしたいのか、わからない。 信心深い人物で双子を忌む気持ちから、双子の孫娘の片方はけっして本家に入れてはならないと遺言。…

映画「約束のネバーランド」ーエマの人物像が超キュート

約束のネバーランドBlu-ray スペシャル・エディション(3枚組) 浜辺美波 Amazon 監督 平川雄一朗 脚本 後藤法子 エマ 浜辺美波 レイ 城桧吏 ノーマン 板垣季光人 クローネ 渡辺直美 イザベラ(ママ) 北川景子 人間と鬼が住み分けを決めたとき、鬼の世界に取…

『マンガみたいにすらすら読める哲学入門』ーテンポよく読める楽しい哲学入門

マンガみたいにすらすら読める哲学入門 (だいわ文庫 B 344-1) 作者:蔭山 克秀 大和書房 Amazon これは面白い! 著者は予備校の講師だということだけれど、講義を聞きに行きたいくらいだ。 いちばん印象に残ったのは、キリスト教の愛「アガペー」についての説…

映画『ノマドランド』 誇りをもって一人で生きるファーンに感動した

ノマドランド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] フランシス・マクドーマンド Amazon ジェシカ・ブルーダー原作の『ノマド』の映画化。 監督 クロエ・ジャオ ファーン フランシス・マクドーマンド ディブ デビッド・ストラザーン リンダ リンダ・メイ スワンキ…

『ノマド』 家を捨てて路上に出るという究極の選択を描く素晴らしいドキュメンタリー

ノマド 漂流する高齢労働者たち 作者:ジェシカ ブルーダー 春秋社 Amazon アカデミー賞を受賞した「ノマドランド」の原作。心を揺さぶられた三つのポイント。 ①合衆国における「ノマド」という存在に驚いた。 USAでは、「かつての中流階級が不可能な選択を迫…

所さんの犬の話ー飼い主が幸せなのが犬の幸せ

テレビで老犬や老いたペットなどの介護の話をやっていた。老犬の介護をしてくれる施設も増えているという。確か、日本全国で200か所くらいあると言われていたと記憶している。 うちも老々老犬介護で、私に何かあったら家人はともかく病気持ちの老犬がどう…

『さくらえび』さくらももこ

さくらえび (新潮文庫) 作者:さくら ももこ 新潮社 Amazon ぜったいに退屈しない、ぜったいにほっこりできるエッセイがさくらももこさんのエッセイだ。飛行機に乗る前に買う本がさくらももこさんの本。エコノミークラスで両側に他人が坐っても、さくらさんの…

大坂なおみ「東京オリンピックに出場します」に心打たれた。

この言葉を受けて「やっぱりオリンピックやったほうがいいんだよ」とは言わないでほしい。私は、オリンピックしなくていいと思っているのと、彼女を利用してほしくないからだ。 でも、堂々と出場を言う大坂なおみはすてきだ。考え方はいろいろあると思う。大…

『おそろし』宮部みゆきの鉄板怪奇譚

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon ただの怪奇譚ではなく、人間の心の深層をのぞかせてくれる物語だ。 ふとしたことから三島屋を訪れる客たちの話を「聴く」という仕事を始めたおちかは、 悲劇に見舞われたのは自…

『「超」勉強力』、けっこう勉強になりました

「超」勉強力 プレジデント社 斉藤孝さん、中野信子さん、山口真由さんの勉強の仕方についての提言。それぞれおもしろく、参考になった。 斎藤孝さん P8 活力ある人間は、ネガティブな状況も刺激にする 「今日からみなさんは人質です」で語られた、辛い出来…

『あやし』漫画と小説両方読んでみた

お江戸ふしぎ噺 あやし (角川ホラー文庫) 作者:皇 なつき KADOKAWA Amazon あやし (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon このごろ私の鉄板宮部みゆき本。まだまだ未読の小説があるうれしさを噛みしめながら、『あやし』を読んだ。 マンガも、おもし…

「ヴィクトリア女王 最期の秘密」を観て人は愛を必要とするのだと実感した

ヴィクトリア女王 最期の秘密 [DVD] ジュディ・デンチ Amazon 監督 スティーブン・フリアーズ アブドゥル アリ・ファザル ヴィクトリア女王 ジュディ・デンチ モハメド アディール・アクタル 身分や出自を越えた友情が描かれている。 女王の孤独が胸に迫る。…

『昨日がなければ明日もない』(宮部みゆき著)の帯に怒る

昨日がなければ明日もない (文春文庫 み 17-15) 作者:宮部 みゆき 文藝春秋 Amazon 杉村探偵事務所が取り扱った3つの事件の事件簿。 これは一風変わった探偵小説で、探偵は事件を解決しない。かかわっていくけれど謎解きと言うより「解説」みたいだし、よろ…

「グリーンブック」 何度も観たい、二人のおじさんの上質なロードムービー

グリーンブック [Blu-ray] ヴィゴ・モーテンセン Amazon 監督 ピーター・ファレリー トニー・リップ・バレロンガ ビゴ・モーテンセン ドクター・ドナルド・シャーリー マハー・シャラ・アリ クラブの用心棒トニーは改修工事で休店中の仕事として黒人のジャズ…

『ブレイブ・ストーリー』上中下で三日間が祝祭にっ!

ブレイブ・ストーリー 【上中下 合本版】 (角川文庫) 作者:宮部 みゆき KADOKAWA Amazon 「生きにくい気候が、生きにくい社会をこしらえた。」 「非アンカ族を根絶やしにし、この北大陸で覇権を勝ち得たアンカ族。同じ者ばかりが寄り集まって、ではようやく…

『OKUDAIRA BASE』は私のバイブルになりそうです

OKUDAIRA BASE 自分を楽しむ衣食住:25歳、東京、一人暮らし。月15万円で快適に暮らすアイデアとコツ 作者:奥平 眞司 誠文堂新光社 Amazon 手に取るだけで楽しい本でもある。この本も松浦弥太郎さんの本と同じくイモトアヤコさん推薦の本だ。イモトアヤコさ…

『伝わるちから』松浦弥太郎著(小学館文庫)はめっちゃ参考になる

伝わるちから 作者:松浦弥太郎 小学館 Amazon p23 「見つける」こと 筆者が10代の終わりにサンフランシスコのフリーマーケットで出会ったヘンリーは、「誰も見向きもしないようなガラクタに、新しい価値を見出す才能に長けていた」。彼は言った。「僕の仕…

『ふたり』 唐沢寿明(幻冬舎文庫)は読むべき一冊

ふたり 作者:唐沢寿明 幻冬舎 Amazon p84 踏みつけられてつぶされる人間と踏みつけられるほど強くなっていく人間、その違いは何なんだろう。おそらく「自分はダメじゃない」という人としてのプライドではないだろうか。 唐沢寿明はカッコいい。ただ立ってい…

「大豆田とわ子と三人の元夫」とスカーレットの憂鬱

「大豆田とわ子と三人の元夫」が終わったけれど、残像のようなものが私の心を漂っている。 ドラマって不思議で、放送されている期間はそのドラマを毎週楽しみにして登場人物を家族のように案じたり喜んだり彼らに怒ったりするのに、終わってしまうとまるでも…

『夏への扉』のピートがめっちゃ可愛い!

夏への扉[新訳版] 作者:ロバート・A・ハインライン 早川書房 Amazon ピートが可愛い。ピートは、家中の扉のどれかが“夏”へ通じていると信じている猫。ジンジャーエールを好み、けんか上等のワイルドな猫でもある。 この扉の話で思い出すのは「ハウルの動く城…

『世界のニュースを日本人は何も知らない』を読んで英語をやろうと決意した(来月から)

世界のニュースを日本人は何も知らない (ワニブックスPLUS新書) 作者:谷本 真由美 ワニブックス Amazon この谷本さんは、千葉敦子さんの匂いがする。なつかしく、過激だが、ジャーナリストとして信頼できる気がする。「何も知らない」というのはちょっと言い…

『俳人風狂列伝』ー俳句にすがって生きる姿に心打たれた

俳人風狂列伝 (中公文庫) 作者:石川 桂郎 中央公論新社 Amazon しかし、いちばん感動したのは、この著者のキャパシティー。なんという心の広い人なのだろう。「人を見る目」が冷徹でありながら寛大で、ありのままの姿をただ観るという姿勢を崩さない。 とき…

『心にエンジンがかかる50の小さな習慣』を読んで、「いちばん楽しむ人になろう」と思った。

心にエンジンがかかる50の小さな習慣 (PHP文庫) 作者:中谷彰宏 PHP研究所 Amazon 「まえがき」が良かった。 アメリカから億万長者が出るのは、アメリカがアイデアの国だからではありません。思いついたことは紙に書く。模型にする。人に言う。発想をすべて実…